煩悩人型欠陥兵器見参!<後編>
前回のあらすじ
(対忙しい人編)
メガネがタクワンでやられそうな時に二人組の女子高生が切った。
あとなんかそのうち一人が死んだ。
そんなお話。
視界を覆う赤い飛沫。
頭蓋に食い込む日本刀。
あまりの出来事に悲鳴すら忘れてしまいました。
「必殺!頭蓋白刃取り!」
死んだはずのミカンちゃんがいい笑顔で再び致命傷を受けていました。
うへぇ、ツッコミどころが多すぎます!
「刺さってます!て言うか死んだんじゃ!?白刃取りどう見ても失敗です!また死ぬ気ですか!必殺って己を殺してどうするんですか!」
「だてに地獄は見てねぇぜ!」
答えになってない!
「引いて押す!引いて押す!引いて、押ーーーーーす!」
「おぁば死うヌラえぇぇぇ!?」
あぁ!アルミちゃんが日本刀をノコギリのように!
落ち着いてぇ!
それ、あなたのお友達だからぁ!
「果てろ朽ちろ裂けろ砕けろ堕ちて死ねぇぇぇぇぇぇぇ!」
「ぎえぇぇぇぇ!何だ何これ鼻から日本刀が生えてるみたい!
これが噂の妊娠?」
目がイッテる!インテル入ってる!!(あまりの衝撃映像に混乱中)
「死ね、死ぬんだ!貴様が死ねば世界は私の物だぁぁぁ!」
いつの間にそんな展開に!?
「させるか!
必殺! 回転スピンニングターン大車輪!」
力の限り回転するミカンちゃん。
ぎえぇぇぇぇ!
グロいグロいグロすぎです!
例えるならかき氷!
いろんな赤い物が宙を舞っ
〜しばらく お待ちくだちい〜
ミカンちゃんが赤い池を残して消えてなくなりました・・・。
第一話から前後編二回に分けて二度死ぬヒロインはたぶん史上初じゃないかと・・・。
アルミちゃんはと言うと、一仕事終えたといったような良い笑顔を浮かべながら返り血よりも物質的な返り肉塊を払っています。
ふと、その内のひとつを手に取り、驚いたような表情になるアルミちゃん。
「この小腸はミカンの!まさか、私が!?」
小腸で!?
「・・・うん。ドンマイ私!こんなこと石川県じゃ日常茶飯事だ!」
「ポジティブ過ぎる!謝れ!今すぐ石川県民に謝れ!」
そんな殺伐とした県あってたまるか!
「何だか分からんが、今がチャンス!
お嬢さん!タク」「えぇい!ツッコミの邪魔ですから!」
「本日二度目のサン・アタック!?」
たまたま足元に転がっていたドリアンを変態マスクに投げつけました。
「股間のジェントルが燃えるようだ!」
こうかはばつぐんだ!
なにやら地面をゴロゴロ転がりながら悶絶しています。
なぜこんなにダメージを!?
まさか果物アレルギー?
「あああ!ク・ソ・ア・マァァァ!
もう猥褻だけじゃこの怒りはおさまらん!
とびきりヒドイ事してあげちゃう!」
「ひいぃ!なんでそんなに怒ってるんですかぁぁ!?」
マスク・ド・変態の振り上げた拳が私のスネめがけてフルスイングで降り注がんとしています。
てか狙いが陰湿過ぎる!
「その時、歴史が動いたぁ!」
「俺の恋人(右手)に痛恨の一撃!」
私のスネに拳が激突する寸前、どこからともなく鉄板が飛来し、覆面エロスの攻撃を遮りました。
「大丈夫か眼鏡の人!」
アルミちゃん!?
じゃない。アルミちゃんは玉ねぎを飴色になるまで炒めるのに手が放せない様だし。
・・・って人のピンチに何してるの?
じゃあ、まさか・・・!
「ミカンちゃん!」
そう、そこにはいるはずの無いミカンちゃんの姿が。
なぜ!?確かにさっきアルミちゃんのてによってイチゴシロップになったはずじゃ!?「偶然ポケットに入ってた絹ごし豆腐がアタシを救ってくれたのさ!」
防御力低っ!
てかそれでどうこうなるレベルじゃない!
「ミカン!さっさとあのくそ虫を片付けるぞ!」「応ともさ!」
エプロンを投げ捨てアルミちゃんがミカンちゃんと肩を並べる。
いいの?二回も殺されてお咎めなしでいいの?
本当に石川では普通のことだったの?
「ここで乙女の7つ道具!
RPG7(なんかスゴいの)!」
「同じく乙女の7つ道〜具!
グレネードランチャー(なんかゴツいの)!」
いやいやいやいや!
跡形もなく木っ端微塵になっちゃいますよ!
あと、十中八九私巻き込まれます!
「もうなんかドカーンのバボーンで片しちゃおうよ。」
「それもそうだな、めんどいし。」
投げやらないで下さい!さっきまでの無駄なやる気はどこに消えたんですか!
「ききき貴様ら!こっちには人質が」「撃ち方用〜意!」
いっこうに構わないだとぅ!?
「待って下さい!私まだ死にたくない!」
「えぇい往生際の悪い!大人しく正義の礎になれ!」
「君の勇姿は忘れない!」
駄目だ!引き金引かなきゃ収まりそうにない!
あぁ、おばあちゃん。
本日三回目の登場ですね。
麗奈はもうじきそちらに向かいます(涙)
「て言うかお前ら!
名前に斬とかついてるのに重火器とは何だ!
さっきの日本刀はどこいった!」
あ、今変態さんが大事な事言いました!
大事な事言いましたよ!
「ふむ、確かに。」
「んじゃ、日本刀で殺っちゃうか。」
あっさり納得した二人は物騒極まりない黒光りする長くて太いものをスカートの中に・・・って
「何で入るの!?」
物理的に無理でしょ!?
四次元ぱんつ!?
「女の子には秘密のポケットがあるんじゃい!」
私も女の子なんですけど!?
「じゃあ改めて」「ぶっ殺す!」
何処からともなく(四次元ぱんつ)取り出した日本刀を構える危険性は既に立証済みな二人。
対するはこちらも何処からともなく取り出した(四次元ぱんつ・・・。)タクワンを両手に構える卑猥さ100%なマスクマン。
こんな珍妙なバトルの当事者なのかと思うと、なんだか泣けてきます。
「貴様はアタシの銘刀 菊一文字、略してきくもんの錆にしてやるぜ!」
その略称はらめぇ!
「ターゲットが変わってしまったが仕方あるまい。
くらえ!沢庵豪襲弾」
無駄にカッコいい技名を叫びながら飛び上がる猥褻仮面。
二人目掛けて降り注ぐ無数の漬物。
って後ろから見て初めて気付きましたが、ぱんつの後ろ部分に黄色い染みが!
食べ物を粗末にし過ぎ!
「アルミちゃん!」「応!」
高い金属音と共に二人の周囲を銀色の剣線が走る。
放たれたタクワンが瞬時にスライスされ、食卓でよく見かけるあの状態になって地面に華を咲かせた。
「バカな!切り刻むはおろか、盛り付けまで完璧だと!?」
「貴様に1つ質問がある。」
刀の切っ先を突き付け、アルミちゃんが静かに言いました。
「貴様らのボスはどこにいる?」
「何のことだ!?
ま・まさか、勤め先にチクるつもりか!?」
アルミちゃんがまるで氷の様な目で変態の顔を覗きこんでいます。
不埒マスクはその目に圧倒されたのか、瞬きすらも忘れた風で固まっています。
「チッ、ハズレか。」
溜め息をつく二人。
・・・なにやら二人は巨大な悪と戦っているようです。
「そうと決まれば用はない、片付けるぞ、ミカン!」
「あいあいさー!」
ミカンちゃんが上段の構えをとり、その後方でアルミちゃんが居合い抜きの構えをとりました。
「これで終わりだド変態!貴様は長く生きすぎた!」
「嫌!痛くしないで!」
一気に変態との間合いを詰める二人。
「必殺! ダブルエッジ・X《さすがターンAのお兄さん》!」
ミカンちゃんがすれ違い様に右肩から左の腰に抜ける斬撃を加えた刹那、アルミちゃんが神速の抜き打ちで右下から左上に切り上げ。
描かれる“X”の軌道。
・・・和訳おかしくないですか?
「ぐあぁぁぁ!」
あわわわわわ!
赤い噴水ギャアアア!
さすがに殺しちゃマズイでしょ
「安心しろ。峰打ちだろうか?」
疑問形かーい!
安心出来ませんよ!切れてる切れてる!
「峰打ちじゃありませんよ!ばっちり斬れてますって!」
嫌あぁ!これって私も罪になるの?
あ、いやいや救急車!救急車を!
「そんなときはコーレー!」
ミカンちゃんが懐から自信満々に取り出したのは
絹ごし豆腐。
なんでやねーん!
なん!でや!ねーーーん!
「こいつをドーン!」
真っ青になってびくんびくんしているドスケベマスクの顔に叩きつけるミカンちゃん。
あはははは、
面白〜〜い、
あはは、あははは(崩壊中)
「お母さ・・・はっ!ここは!?」
あははは!
い、生き返って、あははは!(続・崩壊中)
「まさか、命を救われるとはな・・・。
君らに救われたこの命、これからは人に迷惑をかけない変態になるよ。」
あははは!結局変態かーい!あははは!(絶賛崩壊中)
「うむ、これに」「これにて一件落着!」
「あぁ!ミカン貴様!美味しいとこどり過ぎるだろう!」
あははは!殴りあってるあははは!「へぼぅ!」
両サイドからのコークスクリューによるきりもみ回転により目が覚めま「ふぎゃー!」
「眼鏡が・・・!」
「アスファルトですけきよみたいに・・・!」
よくわかりませんが、私、今腰から上が埋まっちゃってるみたいです。
「で、でわ、我々はこの辺で・・・。」
「ま、またなにかあったらよんでくれぃ!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜!(待って下さい!助けて下さい!)」
それから三時間。
通行人が呼んで下さったレスキューに助けられるまで前衛的なモニュメントと化していました・・・。
もう・・・嫌・・・。
【登場人物】
☆巻困 麗奈
(マキコマ レナ)
20歳。(♀)
特に特徴らしい特徴はないが、何故か変態に好かれるミス残念。眼鏡。
呪われているとしか思えないくらいの不幸体質で、トラブルには必ず漏れ無く巻き込まれる。
あと眼鏡。
忘れてたけど、主人公。んで眼鏡。
☆もち武者
(クソムシ)
25歳。(Σ)
なんかよくわからない生き物。本当になんなんだろう。ホヤか何か?
叫びながら歌いながら建物を壊すのが仕事。(たぶん病気。)眼鏡。
知人友人、家族にいたるまで、彼の脳みその存在を否定している。あと眼鏡。