予想外の結末
「「!?」」
突然灰になって消えたアリウムを見て、私とアデルは目を大きく見開き、思わず一歩後ずさって動揺を隠しきれなかった。ケントも表情こそ落ち着いてはいるが、「何だ?」という感じは隠しきれないでいた。
「アデル、ケント…。これって…」
「いや…俺も分かんねぇよ。こんなのどの本にも文献にもこんな現象は書かれてなかった」
「こんな事をする精霊も、多分いないよね?」
「ああ。恐らくは、俺の知る限りは、だけどないな」
さらに私を動揺させたのは、これだけではなかった。
アリウムの身体が全て灰になった後、飛び去っていく灰から取り残されるかのように、赤い宝石のようなものがガツンと鈍い音を立てながら壇上に落ちてきた。
「…ん?宝石?何でこいつの身体から?」
「ケント!それちょっと貸して!」
ケントからやや強引に宝石のようなものを奪い取ると、私はそれをじっと観察した。
大きさは手の平に乗るくらいで、形は「こんな形の石がありそうだな」という感じの楕円形の形をしている。濃くて暗い赤色はルビーを思わせる美しい色をしていたけれど…どこか素直に綺麗だと思えない不気味さが、普通の宝石とは異なる感じが、根拠はないがあった。
間違いない。アラクの騒動の時、自衛官達が危険生物に捕食された後に下水道に浮いていた物と同じだ。
あの時浮いていた物も、赤くて宝石みたいだったけどただの宝石には見えなかったし、何より人の身体から突然出てきたという不審さが最も共通している点だ。
「ケント、アデルッ…!私これ、見た事あるっ…!」
「は?見た事ある?」
私はケントに地下街の騒動の時に見たという事、アデルはアラクでの騒動を知らないので、騒動の発端から全て説明した。
「…じゃあ、全く異なる国の、全く異なる奴同士の、要は遺体から同じ物が出てきたって事か?」
アデルがこの話の要点をまとめる。聡明な彼なので、このなかなか信用しにくい話もすんなりと理解してくれるのがありがたい。
「うん…。あの時は特に気にしてなかったけど、今になってこんな偶然あるのかって思って…」
「…あくまで俺の考察だけどさ、」
ケントが考え込む仕草を取りながら、ゆっくり静かに口を開く。
「今回の一件とアラクの一件、何かしらの形で繋がってる?」




