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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第2章 精霊国家・ライプチヒ
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天才と秀才の戦い

 「…」

 気絶した隊員達を見下ろしながら、さっきの戦いを思い出す。

 様々な隊員達に「精霊の力を持たない癖に」という言葉を何度も言われていて、そんな運で全てが決まっている事で威張る隊員達を心の中で軽蔑する。

 でも…。


 この人達は長い間、そんな常識の中で過ごしていて、逆にそれ以外の価値観を知らないのだと思うと、何とも哀れに感じてしまう。

 私の動きと剣術を見た時のあの、同じ人間のはずなのに化け物を見るような目。

 差別が酷いというより、知らない事が多いのだろうなと私は思った。


 「すごいねぇメリッサ。まさかあの人数を蹴散らすなんて」

  後ろから聞き覚えのある低い声がして、振り返るとそこにはケントが腕を後ろに組みながら私に近付いてきた。

 「それはケントも同じでしょ…。というか、こっちは殺さないように気を張りながら戦ってたのに、何でそんな平気そうなの」

 「へぇ…。あんなに強いのにまだ相手を考えられる余裕があるんだ。やっぱりメリッサは強いね」


 …こんな状況で褒め言葉が思いつくなんて、やっぱりケントは普通の人じゃないなと思う。

 するとケントは、さっき放たれた氷が溶けて水になっているのを発見し、「丁度良いや」と言ってしゃがんで触れ、すると水は意思を持ったかのように動き出し、隊員達を全員捕獲した。

 …何か、何かの塊が約60人も固めて捕まえたので、なかなかショッキングな光景になっている。


  

 「…私達は良しとして、アデルは…」

 「…まだ、全然決着が着いてないみたいだね」

 私達は目線を動かし、壇上を見た。




 「雷のドンナー・プファイル!」

 「炎のドンス・ディ・フラム!」 

 アデルが二丁の拳銃から炎の、アリウムはレイピアの様な杖で雷の攻撃を放つ。

 アデルとアリウムは、かれこれ15分以上は戦っている。

 アデルとの旅では使用されなかった精霊術を、簡単に連発しながら2人は戦っていた。

 2人の攻撃が講堂の至る所に命中して、講堂は来た時の綺麗さはどこへ行ったのかと思う程焦げたり破損したりしていた。何なら、さっきの隊員達と戦闘中、隊員達に何度か命中する事があった。

 さっき私が避けたのを直接食らえば負傷どころか重傷は確定だし、そんな強烈な精霊術と真正面からやり合えるアデルは本当にすごい。

 

 というか、アデルは今までの戦いでも本気を出していなかったんだと分かる程、今回の戦いでは強烈な精霊術を連発していた。

 助け舟に入るタイミングが見つからない程緊迫した戦いで、アデルもこのアリウムという人と因縁がありそうだったので、私達は一旦見守る事にした。

 

 「…そうか…。部下たちは皆…。あの金髪の精霊の力を持たない女にやられたか…」

 アリウムは一旦攻撃を止めると、壇上から目線と顔を動かして、気絶した隊員達を眺めた。

 「ケントとメリッサ、だ。ちゃんと名前があるわ。というか、部下達がやられてんのに何でそんな平気なんだよ」

 アデルも一旦構えていた拳銃を下ろし、アリウムに話しかける。

 「精霊の力を持たない奴に負けた時点で…。国家精霊部隊を名乗る資格はない…。まだ生きている奴もいるが…。そんな奴らに生きる価値は無い…。後で死刑にする…」

 「独善理論。学院にいた頃から、アンタは優秀だけど変わり者だって聞いてたけど…これは想像の斜め上をいくな。

  


 …つかさ、さっきから思ってる事なんだけどさ」

 アリウムが隊員達から目線をアデルに切り替える。

 






 


 


 「お前、ほんとは精霊の力を持ってないだろ」



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