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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第2章 精霊国家・ライプチヒ
53/215

ケント…?

 体を拘束した山賊達を中心部に集める。山賊達は何とか拘束を解こうとするものの、水の拘束が思った以上に強固で、びくともしない。


 「おーい!ケント!メリッサ!子ども達いたぜー!」

 小屋の確認に行っていたアデルが私達に呼び掛ける。あの反応からして、子ども達は全員無事なのだろう。私は胸を撫で下ろした。

 「…で。村から盗んだ金品や宝石はどこだ?多分アデルの反応からして、小屋にはなかったんだろ」

  ケントが仁王立ちになりながら山賊達に問いかける。

 「お、お前らなんざに場所を教えるか!お前らに場所を教えるくらいなら、死んだ方がマシだ!」

 さっき私が斬りつけた棟梁がそう叫ぶ。

 「おう!お頭の言う通りだ!俺らが盗んだ物は俺らの物だ!意地でも渡すか!」

 「そうだそうだ!」

 棟梁の発言に同意した他の山賊達も教えまいと叫ぶ。

 その発言にケントがぴくりと反応し、棟梁の近くへゆっくりと歩き、しゃがみ込んだ。


 「…お前…。俺達に教えるくらいなら死んだ方がマシって言ったな?」

 「おうそうだ!あんなのはな!奪われる方が悪いんだ!大事な物を自分で守れない、弱い奴のせいだ!俺が奪った物は全部俺のものだ!」

 棟梁がめちゃくちゃな言い分をケントに対して言う。

 それに対してケントは何も返答はせず、代わりにニコリと満面の笑みを浮かばせて_




 隠していたバタフライナイフで、棟梁の首を思いっきり刺した。

 その瞬間、棟梁の首からクラッカーみたいに血がぶわっと大量に出て、棟梁は目を見開きながらその場に横向きに倒れた。首は急所だ。あんな刺され方をされたら、完全に即死だ。

 倒れた棟梁を見て、他の山賊達が「うわあ!助けてぇ!」とパニックを起こし始めた。

刺した時に発生した大量の血を被った関係で、ケントの顔と白いシャツには血が飛び散り、前髪にも若干血が付着していた。そして口元に付いた血を手で拭うと、ケントは冷酷に笑いながら「あぁ。お前らも死んだ方がマシだって言ってたよね?」と黒のスキニーから再び別のバタフライナイフを取り出した。

 するとさすがに死にたくなかったのか、山賊の1人が「教える!教えるよ!小屋の裏に埋めてある!」と泣き叫びながら教えた。

 「小屋の裏か。メリッサ、アデル、後で確認しよう」

 いつものケントの調子でそう言うと、ケントは山賊達を拘束していた水の触手に触れた。

 すると触手は山賊達を高く持ち上げると、ここからずっと遠くへとぽーんと投げ飛ばした。


 「…あっち、危険生物の生息地域なんだ。それも、生身の人間が入ったらほば助からないような」

 ケントがとんでもない事を言うと、ケントはすぐ何事もなかったかのように「じゃあ、敵は排除できたところだし、子ども達を助けに行こうか」といつもの明るい調子で言った。


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