山賊との戦闘
「おらぁ!でやぁ!死ねぇ!」
山賊がひたすら振り回す斧を、ケントが冷静にかわし続ける。
「くそっ!何で命中しねぇんだ!すばしっこい奴だ!」
「あれ…。さっき俺達の事頭悪いとか言ってたけど、さっきから全然当たってないじゃん。…確実に命中する動きも分かんないとか、そっちも頭悪いね」
「ぐっ…!クソがぁ!」
「おい!俺が後ろから挟み撃ちで行く!お前は前を狙え!」
「!おう!」
「…んー…。やっぱり頭悪いなぁ」
わざとらしく考え込むような表情をして、ケントは高くジャンプした。そしてその瞬間、山賊が持っていた斧と槍がお互いの体を貫通し、山賊は血を吐き出した。
「がはっ!ま、さかお前…これを、狙って…」
言い終わるより前に、山賊は同時に倒れた。
ケントの足元には、気絶した山賊達が大量に倒れていた。何せ、ケントが蹴り一撃で気絶させてしまったので、1分もしないうちに10人は倒されてしまった。
「あれ。頭の悪いはずの俺が勝っちゃった」
「おいおい僕ぅ〜?何でこんな所にいるんでちゅか〜?」
「そうそう、良い子は家に帰らないと〜。」
山賊達の幼稚な煽りに、アデルは冷静だった。冷静に状況を見渡し、技を放っても良いか確認する。
近くに仲間はいない。なら、そこそこ派手な技を放っても大丈夫だ。
「…おいおっさん共。俺が戦えないような奴だと思ってたら…大間違いだぜ!」
そう言うとアデルは拳銃を左右に構え、精霊の力を込めて叫び、発砲した。
「炎の壁!」
すると拳銃から炎が放射され、その炎は勢いと威力を上げ、山賊たちを炎の壁に閉じ込めた。
「なっ!?閉じ込められた!?」
混乱する山賊達に、すかさずアデルは次の手へ行く。「かかったな…!一旦寝とけ!雷の鉄槌!」
山賊たちの真上を狙って発砲し、山賊達の真上に発生した青白い光を「いけ!」と拳銃で振り落とす動作を取り、山賊達に電撃を食らわせる。
「かはっ!」
山賊達は白目を剥き、ここでも10人程が一気に倒れた。
「悪いなぁ。_これでも昔は『天才』って言われてたんでね」
「うひょ〜!久しぶりの美女だ!」
「襲撃した村ではこんな上玉いなかったぜ!お頭!後でヤッてもいいよなあ!?」
「いいが…その前に1番乗りは俺だ…!」
棟梁を含めた男達が、下卑た目で私を見てくる。
あくまでも、戦闘不能にしてしまえば良い話だ。どこか戦闘が続けられない場所を狙って…。
私は山賊達の肩や足を狙って、地面を強く蹴った。
助走をつけてジャンプし、そのまま山賊達の肩や足を狙い、斬りつける。
「いてぇ!」
「この女…!」
「くそっ!武器が持てねぇ!」
次々と切り付け、残るは棟梁のみになった。
「くそがぁ!このガキ!」
そう叫んで斧を振り回しながら襲ってきたが、私は冷静に動きを見切り、数回程かわして隙が生じた棟梁の腕を思いっきり斬りつけた。
「ぐあっ!!」
そう叫ぶと、棟梁は膝を地面に着けた。
5分もしないうちに、山賊を全員蹴散らす事に成功してしまった。
「こんのガキども…!俺らの事を舐めやがって!お前ら!まだ戦え」
そう叫んで動こうとした瞬間、何かが棟梁の体をぐんと引っ張った。
何かと思って振り返ると、何と水の触手のようなものが、棟梁はもちろん、他の山賊達の体を拘束している。
…水?…あ、もしかして…。
ひょっとするとと思ってケントの方を見ると、ケントも私に気付いて、笑顔とピースをしてきた。
「ご察しの通り。さっきの滝壺で、水の精霊にこいつらを拘束するよう頼んだんだ」
…すごいなケント。もう水さえあれば何でも出来るんじゃないか?
「…勝負ありだな。おっさん共」
アデルが拳銃をくるくると回転させながら、そう言った。




