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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第2章 精霊国家・ライプチヒ
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少年による精霊解説講座

 さっきよりも緊迫した状況ではなくなったので、この少年を少し観察してみた。

 抹茶みたいな少し薄い緑色のショートヘアに白い肌、パッチリとした灰色の大きな目で、ケントが比較的中性的な印象だとすれば、この子は線はハッキリしていて男性的な要素も強いが、それ以上に「可愛い」という要素が勝っているかもしれない。どことなく小動物感がある感じだ。

 頭にはゴーグルみたいな物を付けていて、服装は黒いシャツの上に深緑のつなぎ服を着ている。何というか…服装だけなら何かの映画で観た発明家みたいな格好だなと思った。

 そして何より…


 「…何見てんだよ。さっきからじっと見やがって」

 …いや、口悪いなぁ。ケントが比較的落ち着いた話し方をしているというのもあるけれど、それにしたって不良みたいな話し方だ。

 地下街の子供達も少し口が悪いが、ある意味それ以上に悪いかもしれない、

 「イエ、ナンデモナイデス」

 観察していたのがばれたような気がして、思わず片言で目を逸らす。

 「…で、ここまで来るなんて、一体何の精霊の力を借りてる?」

 「君こそ、こんな場所で生活できるなんて、何かしらの精霊の力を持ってるよね?」

 …そうだ、私はこれが1番気になってる。


 「…ね、ねえっ!」

 私の呼びかけに、2人が同時に私を見る。

 「精霊って一体何なの、2人が精霊使い?っていうのも…」

 私の質問に、少年ははぁ?と訝しげな表情をした。

 「精霊を知らないっておま…。お前が1番何者なんだよ?てか、どの地域の出身だ?」

 少年の問いかけに、私は「アラク」と答えた。

 すると少年は大きく目を見開き、「アラク!?」と驚いた様な声を出し、ソファーから立ち上がって私の目の前まで歩いてきた。


 「アラクって…鎖国制度を行なってる国なんじゃねぇのか!?なのにその出身者がいるってどういう…」

 続きを言いかけて少年は何かを考え込むような表情になり、しばらく考えると納得したというような反応をして、私と目を合わせてこう呼びかけてきた。




 「よし、いいぜ。俺がお前に精霊の事や、この国の事を教えてやるよ」


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