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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第1章 アラク
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私の日常③

 私の通う聖カタリナ学園は私が住む島国・アラクの首都・ニセコにある、寮から歩いて10分くらいの所にある高校だ。

 私立の比較的名の知れた名門校で、白を基調とした綺麗な校舎であり、初めて見た時は驚いたのを覚えている。木造の教室に机と椅子、上履きを履かないといけなかった中学時代とは異なり、土足にプラスチック製の机と椅子、校舎と同じ白を基調とした教室で、その綺麗な造りにさすが私立高校だなと思った。


 2階にある3年1組の教室に入ると、教室の前の方に輪になるように座っていた6,7人くらいの女子達がこちらに気付き、そして隠す気も無いようにクスクスと笑い出した。

 …今日は前の方なのか。私の席は彼女達が座っている列の右にある、真ん中の列の最前列なんだけどな。

女子達がホームルーム前に集まる場所は毎日異なる。彼女達にバレないくらいに小さく溜息を吐くと、私は彼女達の嘲笑を無視しながら自分の席に着いた。


 席に着きながら鞄から文庫本を取り出し、102ページ目から再び読み始めると、左から声が聞こえてきた。

「リンドグルツさんってマジで地味だよねー」

「あーゆーのをモテない顔って言うのかなー」

「うわーカワイそー」

「ちょっとー聞こえちゃうってー」


 彼女達の声が大きいのか、自分の耳が良いのか、どちらかは分からないが、隠す気もなく彼女達はそんな会話をヒソヒソと繰り広げる。


 …ちなみにだけど、私は彼女達の恨みを買うような事なんてしたことが無いし、何なら2年からこのクラスだけど、話した回数も指で数えられるくらいしかない。


 …思い当たる節が見当たらないなと思い、私は再び文庫本を読み進めた。

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