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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第1章 アラク
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外の世界

 ちょっと本屋に行ってた。みたいな軽い口調で言いケントもそうだが、辺りをもう一度見渡してみた。

オレンジ色に染まった空と海、そして、10mくらい離れた場所に見える砂浜…。

 最初一瞬夢でも見ているんじゃないかと思ったが、寝起き特有の頭にもやがかかったような感じが今したので、これが現実なんだとすぐに実感する。


 そこでハッとして、体の確認をする。

 痛みも触られた痕跡もない。恐らく眠っている間、変な事はされなかったらしい。

 「あーちなみにだけど、俺は何もしてないよ。何せ船を漕ぐのに集中してたから」

 船を漕ぎながらお兄さんが答える。そんなやり取りをしているうちに、浜辺に着き、上陸した。


 上陸してすぐにスマホを見ると、時刻は5:01、地図アプリを使って今いる場所を調べてみると、この右半球の南西に位置するアラクからずっと北東に進んだ場所にある地域に、私の現在位置が表示されていた。

 ついさっきまでいたアラクが、私の現在位置から遠い場所にある。

 という事は私…。





 「…ほんとに、島から出たの?」


 信じられないという声で私が呟くと、隣からケントが「そうだよー。出るって言ったじゃん」と、当たり前のような口調で返してきた。

 いやいや、突っ込み所が多すぎる。

 まず、警備を突破したのは私も知ってる。何せ海兵が危険生物に殺されていたから。

 でもアラク周辺は強烈な渦潮が発生してるのに、どうやって突破したの?というか、アラクからここまで漕ぐとか、アスリートでも無理でしょ?


 様々な疑問が頭の中で回っていると、ケントから「ここにずっといても変わらないよ。とりあえず移動しよう」と呼びかけられた。


 確かに、私は外の世界を全く知らない。勝手な行動をしたら、本当に命が危ないかもしれない。

 ここはケントの言う事を聞くのが最善だと思い、分かったと返してケントと一緒に歩き出した。


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