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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第1章 アラク
28/215

実は…

 今飛び出してきたのは、「危険生物」という、動物と似た姿を持つ、動物とはまた異なる生き物達だ。

 山や陸、はもちろん、空や海など至る所に生息していて、肉食動物以上の凶暴性と残虐性を持ち、生身の人間が遭遇してしまえばまず助からない。

 元々アラクは危険生物が生息しない、いわば安全地帯みたいな地域だったのだが…2、3ヶ月程前から何故かこの地下街の下水道からちょくちょく出没するようになった。

 そして地下街には正面から戦える人間がほぼいないので、出没する度にある人物から連絡を受け、危険生物退治に駆り出されていたのだ。少し前に携帯を見て顔を顰めたのは、その連絡があったからだ。

 ちなみに、国の自衛隊や海軍にも出没したという通報はもちろんしている。が、相手側は「アラクに危険生物が出るはずがない。勘違いじゃないのか」と確認もせずにあしらっただけだった。


 そして…運が悪いのか、このタイミングで下水道から危険生物がおいでになられ、大統領が食われるという事件が起こったのだ。

 ワニみたいな危険生物は大統領を飲み込むと、すぐさま下水道に浮いていたあのクマみたいな上司を掴んだ。

 掴まれた勢いで上司が目を覚ますと、目の前には自分達が存在を信じなかった危険生物がいるんだから、酷く焦り散らした。

 「きっ!危険生物ゥ!?あの通報は嘘じゃなかったのか!?お、おいお前ら!助け…」

 気絶したままの部下達に助けを求めるも虚しく、上司の男も大統領と同じく、頭から食べられてしまった。


 危険生物はそれだけでは足りなかったのか、気絶していた、私達が気絶させたチャラ自衛官達もどんどん食べていった。

 そして私をナンパしたあの自衛官が、危険生物に掴まれた状態で私の方を見て、「か、からかったり変な目で見た事謝るから!助け…」

 続きを言う前にその人も食べられてしまい、結果、危険生物は今日1日で大統領と自衛官達7人の、合計8人を捕食してしまった。さすがにこれだけの人数を食べて危険生物も満足したのか、最後の1人を食べ終わると、下水道の下へと消えていった。




 …あの自衛官、やっぱ私の事変な目で見てたんだ。

こんな凄惨な状況なのにそんな事を考えられる程、私の心は強烈に、痛みすら感じられる程冷え切っていた。


 その時だった。赤く染まった下水道の水に、赤い宝石のようなものが浮いていた。

 「(ん…?宝石…?)」

 けれどもすぐに沈んでしまったので、何だろうと思いつつも、大したものではないだろうと、気にしない事にした。


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