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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第1章 アラク
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不穏な予感

 また日曜日がやって来た。

 この日も昼食後に地下街のみんなと、お兄さんと遊ぶ…ではなく、今日はいつもと違うスケジュールになった。


 金曜日に担任から「いつもは2人いる保健室の養護教諭のうち1人が胃腸炎になってしまって、日曜日は部活の練習がある生徒が多いので、リンドグルツが保健室の補助に入って欲しい」と頼まれたのだ。


 …いや、何で私にそんな事頼むんだ。それが率直な感想だった。確かに去年保健委員をやっていたし、ある程度の怪我のケアなどはできるけど、もう少し他に良いアテはなかったのか。

 …そういえば、うちの担任、養護教諭に片思いしてるっていう噂があったな。…いくらその人を気に掛けていても、私を何でも屋みたいに使わないで欲しいものだ。


 ともあれ、断るのも薄情な気がして、とりあえず地下街へ行って今週の分のパンを子供達に渡し、今週はお兄さん1人で見てほしいとお願いし、私は日曜日の学校へダッシュした。

 子供達もお兄さんも、「日曜日なのに大変だね。」と優しく気遣ってくれて、良かったと胸を撫で下ろした。


 日曜日の保健室は、想像以上に忙しかった。

 運動部の生徒達が結構な頻度で怪我をするし、他にも脱水症や絆創膏などの道具の貸し出しなど、こまごまとやる事が多い。

 嵐の様な午後をやり切り、時計を見ると時刻は最終下校の7時近くになっていた。

 養護教諭から感謝の言葉を頂くと、私は帰宅する事にした。


 疲れたなぁと考えながら道を歩いていると、ある事に気が付いた。


 

 スマホがないのだ。

 いつもブレザーのポケットに入れているのに、ない。

 血の気が引いた様な感覚になり、記憶を遡らせる。 確か保健室にスマホを置いた記憶なんてないし、そう考えると…地下街に忘れてきた?

 スマホがないのは、課題が出来ないのもあってかなり困る。


 あるかは分からないけど、何か分かるかもしれないと思い、私は急いで地下街へ向かった。




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