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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第3章 花の都・ロレーヌ
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傾国の美女?

 「よしっ。出来上がり!我ながら良い仕上がりになったよー!」

 「……」

 

 私達はナディアの宿泊部屋へと移動すると、ナディアが実は二段で収納が可能になっていたあの茶色い箱から化粧道具を取り出すと、ケントの化粧を始めた。

 

 ケントはこの女装作戦に最初は「えっ?嫌だよ」と嫌そうな反応を見せていたが、私達3人がこの作戦は女性に間違えられる事が多いケントなら絶対に成功するから!ケントは町長の好みの色白金髪の端正な顔立ちだから絶対に大丈夫だから!と必死に頼み込んだおかげで嫌々ながらも引き受けてくれた。

 

 ナディアの化粧が上手いというのもあるのだろうが、化粧を身に包んだケントはこの状況を何も知らない人が見たら本当に女性だと勘違いしてしまいそうなくらい綺麗だった。

 雪みたいに白くて毛穴が見当たらないきめの細かい肌に淡く施された薄桃色のチークは美しい水彩画みたいな感じがあったし、唇に塗られた同じく薄桃色のグロスはそんなケントの肌をより美しく見せ、同時にお伽噺の中に出てくる王女様みたいな、そんな儚い雰囲気も出していた。

 

 「今更だけど、ケントってほんとに顔綺麗だよねー!これ結構薄化粧なんだけど、それでも十分綺麗だし、全然女の子に見えるよー!」

 「凄い……。ナディアの化粧も上手だけど、ケント、何か国を傾けられそう……」

 「傾国の美女って、やつだな……w。似合ってる、ぜ……wすげぇ……w」

 「うん。とりあえずアデルは事が終わったらデコピン100発ね」

 ケントの仕上がりに興奮気味な私達とは対照的に、ケントは脚を組んで右手で頬杖をつき、一目で分かるくらいには不機嫌気味だ。

 もちろん、表情はいつもの穏やかな顔のままだが、目が完全に笑っていないうえに、そんな姿をアデルに(アデルももちろん悪気は無いが)苦笑された事に少しお怒りのようで、これだとどんなナンパ男も近付かないだろうと言わんばかりのどす黒いオーラを出している。

 ケントは女性的な綺麗な顔立ちをしているけれど、それを理由に揶揄ったりするのはケントの地雷を踏んでしまう。

 

 「あ、ねぇ!化粧もしたんだからさ、髪型もちょっとセットしない!?」

 「ねぇ」

 「あ、それ良いかも。だったら、服も近くのお店で簡単に揃えない?」

 「ちょっと」

 「それなら、イヤリングとかのアクセサリーも……」

 「3人とも、俺の事着せ替え人形か何かだと思ってる?俺の気持ちは無視?」

 

 

 想定外のケントの仕上がりの良さにテンションが上がった私たちは、ケントを更に女性的に見せる為にあれこれと提案をした。

 テンションがどんどん上がっていく私達とは対照的に、ケントのテンションは下がっていく一方だった。

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