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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第3章 花の都・ロレーヌ
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シャルセーヌの町

 ジョセフの手綱で何時間もかけて移動し、私達は夕方くらいにシャルセーヌの町へ到着した。

 ジョセフ曰く、もっと遅くなると思っていたけど、途中チンピラや危険生物に襲われる事もなかったので、想像以上に早く到着したとのことだ。

 そして何より驚いたのが……。


 「うわっ……。こんなの落ちたら絶対生きて戻れない……」

 辺り周辺を崖に、落ちたら底の見えない奈落に行ってしまうような崖に囲まれたシャルセーヌの町を、私はこの町を通る際十分気をつけて行こうと決意した。

 シャルセーヌの町はあの宿にあった地図の通り、辺りを一体どれだけの距離があるんだと言わんばかりの崖に囲まれた孤独な町だった。

 多分戦術とかそういったものには上手く活用できそうな地形だったけど、今の私達の目的はこの町を通過する事なので、そういった頭脳戦的な要素は今は必要ない。

  

 「さあみなさん、シャルセーヌの町に到着しましたよ」

 ジョセフに声をかけられて私達は馬車から降り、4人で馬を静止してくれているジョセフの元へ向かう。

 「ありがとなおっさん。こんな長距離を送ってくれて」

 「いえいえ。それでは、あなた達の旅が良いものになりますように」

 そう言うとジョセフは馬を再び走らせ、私達の元から去って行った。


 「良い人だったねぇ。あのおじさん」

 「あぁ。まさかここまで旅の手間が省けるとは思わなかったよね」

 ジョセフの計らいで最初の地点から大きく離れたこのシャルセーヌの町へと3日もしないうちに来れたのは、様々な縁と偶然が重なってできた奇跡だ。

 そんな偶然な出会いに人と人との繋がりを実感していると、背後からアデルが少し向き合いたくなかった話題を出してくる。


 「おいお前ら。ここまで来たのは良いけど、この先どうやって通過すんだ?」

 「……」

 ……うん。向き合わないと駄目っていうのは分かってたけど、まさかこの町に到着してこんないきなりこの話題が出るとは思わなかった。

 「うーん。とりあえず、さっき通った通りにまた天使の寝床があったからさ、今日は一旦そこに泊まる?みんなあの危険生物狩りで疲れたでしょ」

 ケントの提案に3人が納得し、今日は一旦休むことにする。確かに私もあの危険生物狩りで少し疲れている状態だ。そんな疲れた脳と体で、今後の事を適当に考えたくはない。

 

 ……そういえば、あの時ジョセフは何で私達がこの町を通過できるって信じてたんだろう。

 この中に金髪の美人なんていないのに………。

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