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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第3章 花の都・ロレーヌ
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こんな人と恋愛できるなら

 「メリッサって、男と付き合った事ないんだ?」

 ケントが私に背中を向けながら私に話しかけてくる。

 「……そうだよ。ないよ。いない歴年齢ってやつだよ」

 別に恋人が欲しいとか、そういう訳では全然ないけれど、何故かこんな言い方をしてしまった。

 

 「……何、付き合った事ないのがおかしいの?」

 「いやいや。そういう事じゃないよ。むしろ、周囲からの圧力とか、その場のノリで付き合うの事の方が良くないし、そう考えればメリッサは慎重に見る事が出来てるんだなって思うよ」

 ……その場のノリ、ねぇ。そういえば、学校の文化祭や体育祭なんかで、盛り上がった時のノリで異性に告白して付き合う事がよくあるが、実際はその場限りで盛り上がって告白したというケースが結構多くて、そこにお互いの事をよく理解してからとか、想っているみたいな要素は皆無な気がする。

 だからか数か月後には別れて、次なる恋の相手を探す……という事が多いように感じる。

 

 学生時代の交際事情なんて、たかだかそんな感じだろう。

 相手の心も、交際の先にある結婚の事も深く考えず、その時その時の刹那的な快楽に身を投じる。

 よく考えていないっちゃよく考えていないし、SNSなんかを見ていると、そんな刹那的な快楽を楽しむ学生カップル達を批判する声もよく見るけど……。

 でもそんなめちゃくちゃで、我儘で、脆くて、繊細な時期が10代なんだろう。どれだけ奔放な10代を過ごしても、いつかは必ず大人になる。

 そしてそんな経験が全くない私は、あと2年で20歳に、成人になる歳だというのに、大人になる過程で必要なパズルのピースを拾い忘れたような……そんな歪さを感じてしまう。

 大人になるのが怖いとか、嫌な訳じゃない。でも、もうすぐ大人になるのになりきれていないような、そんな気がしてしまう。

 

 「……メリッサ、また何かぐるぐる考え事してるでしょ」

 ケントの指摘に思わずハッとし、意識をケントとの会話に戻す。

 「ご、ごめん……。ちょっと考え事してた」

 「……メリッサの事だから多分、交際経験がない事を馬鹿にしてくる人がいたとかでしょ」

 ……まあ、それも合ってるっちゃ合ってる。学校にいた頃、クラスメイトの男子が私に交際経験を聞いてきて、ないと答えたら「えー!いない歴年齢とかありえねー!」と馬鹿にするように大声で言ってきて、クラスから何とも言えない目で見られるようになったから。

 「別にそんな事言ってくる人気にしなくていいよ。そういう人に限って、年月が経ったらメリッサみたいなタイプが良いとか言ってくるだけだから」

 ……そういうものなのだろうか?男性の心というか、好みとは全くもって分からない。

 何なら、ケントみたいな人が私の……。


 ……ん?今私何を考えてた?なかなかとんでもない事を考えてたような……。

 「大丈夫。メリッサは優しくて賢くて、芯の強さを持った素敵な子だよ。その軸さえブレさせなければきっと大丈夫だ」

 「う、うん……。ありがとう……?」

 「そろそろ服も乾く頃じゃないかな。ちょっと着替えてくるから、そこで待っててよ」

 すると後ろでケントが立ち上がったような気配を感じて、ケントは服を取りに行った。


 本当に私、何を考えてるんだろう。こんな事、口が裂けても言いたくない。


 ケントみたいな人が、私の恋人だったら毎日楽しそう。だなんて。

 

 

 

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