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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第3章 花の都・ロレーヌ
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まさかの事実

 朝食を食堂で摂り、ツインテールが耳に当たって少しこそばゆい感じを感じながら、私達は次の目的地の話をした。


 「ロレーヌって結構田舎だから、国全体で見ても町がそんなにないし、住民もそんなにいないんだよね。

面積はそこそこあるのに。だからこの宿からまずはひたすら北に進んだ先にある、シャルセーヌっていう町へ向かって、その町を通過して北西に進んだ先にある首都のラシェルへ行くって感じかな。ただ……」

 ナディアが顔を曇らせる。


 「このシャルセーヌ周辺、地形がものすっごく悪くて。このシャルセーヌを分断する感じで崖になってるんだよね」

 ……ん?崖?

 「え、待ってナディア。てことは、この国って崖でほぼ2つに分断されてるって事?」

 「そうなんだよね……。あ!地図がある!全然気付かなかった!これ見た方が分かりやすいかも!」

 そう言うとナディアは食堂の壁に貼ってあった地図の元へとてとてと走って行った。

 

 ナディアに着いて行って地図を確認する。

 私達が今いるのがロレーヌのほぼ南部で、これから向かうのは北西部にある首都・ラシェルだ。

 その南東部にシャルセーヌの町を発見した…が。

 シャルセーヌを指す白い丸印周辺には、ロレーヌを分断するかのような黒い何かが、恐らくこれがナディアの言っていた崖なんだろう。

 何て地形してるんだ……と突っ込みたくなったが、まあそんな特殊な地形の国もあるよね、と心の中で結論付けた。


 「この崖結構大きな崖だから、精霊の力を使って突破するっていうのも難しいんだよね……。だから、このシャルセーヌの街を通過しないと駄目なんだけど……」

 なるほど。下手な手を使って怪我しても意味がないので、ここはナディアの言う通り、シャルセーヌの街を通過した方が良いのだろう。


 でも、街を通過するって何ら普通の事なのに、何でそんなに曇った顔をするんだろう。

 気になってるナディアに聞いてみると、なかなか衝撃的な答えが返ってきた。


 「いや、シャルセーヌの町は、シャルセーヌの町長が通っても良いかの確認を取るんだけどね、その町長の好みがめちゃくちゃ極端で。天然金髪に白い肌の美女が大好きで、その人とその関係者しか通っちゃ駄目っていう決まりがあって…」

 「何だよそりゃ。その町長は何かの変態嗜好マニアックか?」

 ……相変わらず口の悪いツッコミを素早くするアデルである。けど、本音を言うと同じ事を思っていた。

 金髪に白い肌が好みなんて、良くも悪くもこの国の価値観を体現した町長である。


 「染めた金髪とかは駄目なの?」

 「天然金髪が好みみたいで、染めてもすぐ分かるみたい……。だからどうしようって思ってて……」

 ナディアが顔を顰めながら考え込む表情を作る。

 

 「とりあえず、考え過ぎても良くないから、まずシャルセーヌの町へ向かう?」

 ケントの意見に確かに、その時の事はまたその時考えれば良いやと考え、一旦シャルセーヌの町へ向かう事にした。

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