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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第3章 花の都・ロレーヌ
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新しい仲間

 ナディアは一瞬の間にこの過去を思い出して、もしかしてこの出会いは、理屈とか理論では説明できないような、そんな不思議なものに満ちた、でも本当に奇跡的な出会いなんじゃないかと思った。


 「……で、どうかな?もちろん、君が嫌じゃなかったらいいんだけ」

 「行く。行きたい」

 私達3人の目を見ながらナディアは真っ直ぐに言ってきた。

 「成功できる可能性の方が低いと思うけど……それでも可能性がゼロじゃないんだったら……やる。でもってやり遂げたい」

 「……うん。じゃあ、決まりだね。メリッサとアデルもそれで良いよね?」

 ケントが私達の顔を見ながら確認をとってくる。


 「あ、うん……。ナディアが良いならもちろん……」

 「……あぁ。よろしく頼んだぜ」

 

 紆余曲折を経て、力の精霊の力を持つ人形みたいな女の子、ナディアが私達の仲間になった。



 「……それで。俺達が倒さないといけない総統とやらは一体どこにいるの?」

 「ああ。総統なら、ロレーヌの北西部にある首都のラシェルっていう街にいるよ。そこに総統居住の屋敷があるから、多分そこに」

 「じゃあ、次の目的地はラシェルだね。軽く準備が整い次第行こうか。こういうのは早めに行った方が良い」

 「あっ!じゃあその前に、お父さんとお母さんに手紙書いても良い?『旅に出るからしばらく帰れない』って」

 ……ん?ちょっと待って。

 「……ナディア。ナディアって、ご両親と一緒に住んでるの?だったら私達と旅に出て……」

 「ああ!大丈夫大丈夫!お父さんもお母さんも私がそう簡単にやられない事は分かってるし、それに、最悪手紙を飛ばせば大丈夫だから!」

 「ええ……本当……」

 ナディアもそうだけど、ナディアのご両親も自由だし適当だな……。だったら私達がナディアを全力で守らないと……。


 「とりあえず、今日はこの町から数km歩いた先にある天使の寝床に泊まる?そこで一旦休んで、そこでこれからの予定とか改めて立てようよ」

 「そうだね。手紙書くのは全然待ってるし、そうしようか」


 トントン拍子で進んでいくこの状況に若干戸惑いつつ、今日はとりあえず天使の寝床に向かう事になった。

 それにしてもどこにでもあるな。天使の寝床……。ここまできたらここから遠く離れた本当に異国の地にもありそうな気がしてきた……。

 でもそんな寝床に助けられているのも事実だ。

 私はナディアが手紙を書く過程を見守りながら、これから先の旅を軽く想像した。

 

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