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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第3章 花の都・ロレーヌ
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再会 Side:ナディア

 数日後。再びルカが私の部屋に窓を通してやって来た。

 ルカは私の姿を見るなり大きく目を見開いた。

 何せ、以前の私とは180度印象の違う、水色と白のフリルが付いたロリータ風のワンピースを着ていたんだから。先日会った時の私とは容姿がまるで違う。


 母親にイメチェンした私の姿を褒められた後、外に出るのはさすがにまた嫌な目に遭いそうな予感がしたので、父親に頼んでこのワンピースと似たような印象の服を数着買ってきて欲しいと頼んだのだ。

 私が何かを買ってきて欲しいと頼むのはほぼ初めての事だったので、父親は大喜びして数着どころか数十着は服を買ってきてくれた。おかげで私のクローゼットの中は、服の系統がほぼ変化していた。


 「……何?服装を変えただけなのに、何でそんな豆鉄砲でも食らったみたいな顔してんの」

 「……あっ!ごめん!服はすごく似合ってるし、髪型との相性も良いと思うよ!でも何だろう……




 人って、本当にどんな姿にでも変われるって思ったんだ」


 相変わらず哲学的でよく分からない事を言う子だなと思っていると、ルカが私の髪形をじっと見て「ねぇ、ちょっと髪型を変えてみない?」と言ってきた。

 「髪型を変える?この前変えたんじゃ……」

 「ううん。変えるって言っても、長さは変えないし、ハサミも使わない。これを使うんだよ」

 そう言うとルカは、荷物の中から黒いリボンを2つ取り出した。


 「リボン?」

 「うん。ちょっとの間、僕に任せてくれる?」

 そう言ってルカはこの間みたいに私をドレッサーに座らせると、ブラシを使って髪を梳かすと、髪を2つに分け始めた。

 「え……ちょっと、ほんとに何するの?」

 「大丈夫。必ず似合うはずだから」


 そう言って数分後には、緩く巻かれた髪に黒いリボンで2つに纏めた、ツインテールの私が完成した。

 「おお……」

 「やっぱり!君の服装から、この髪型は絶対に似合うと思ったんだ!」

 ルカはこの間みたいな嬉しそうな笑顔を浮かべる。前も嬉しそうだったけど、今回はもっと嬉しそうだったので、私は気になって「何でそんなに嬉しそうなの?」と聞いた。するとルカは一瞬えっ、という顔を浮かべると、少し悲しそうな笑顔を浮かべながら語り始めた。


 「僕ね……。1か月前に、お母さんが亡くなったんだ」

 「……えっ」

 

 ……ルカのお母さん。確かこの前の会話で、美容師をしていたと言っていたはずで、ルカが美容師を目指す事になったきっかけになった人。

 ルカは少し涙を流しそうな顔を浮かべながら、母親の事を語り始めた。

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