表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第3章 花の都・ロレーヌ
105/215

思考がバグる②

 ナディアが片手で持っている斧を確認する。

 長さはナディアの頭から骨盤くらいの、そこそこ大きなサイズで、ナディアが私よりも恐らく10cm以上は身長が低く、アデルよりも低いので、大体100cmくらい?と感じた。

 けれども長さはともかく、両サイドに付いた、一体何の素材から出来ているんだと言わんばかりの広げた扇子のような巨大な両刃は、ナディアみたいな小柄で可愛らしい女の子が扱うなんて到底想像できないような、どっちかというとプロレスラーみたいな体格のゴツい人が使っていそうな感じがあった。

 恐らくナディアが背負っていた茶色い箱には、この巨大な斧が入っていたんだろう。


 この子がこんな豪快な斧を使いこなすのも衝撃だったが、さらに衝撃なのはこれだけではない。

 3匹のうち1匹はナディアが一瞬で撃退して、あとの1匹はケントとアデルが対処してくれている。

 その為、残りの1匹を私とナディアで対処しようとしたのだが…。


 「キエェーーー!」

 危険生物が耳を覆いたくなるような甲高い鳴き声を上げながら、私とナディアに突撃してきた。

 高速で刀を構えて渾身の一撃を食らわせようとしたその瞬間、ナディアが今度はジャンプして斧を思いっきり振るい上げると、そのまま叩き落すように危険生物に強烈な斬撃を食らわせ、危険生物は地面に叩き落とされ、動かなくなった。

 …叩き落とされた勢いで破壊された地面に身体を埋めながら。


 そう。さっきナディアに聞こうとしたのはこれである。

 さっきも3匹のうち1匹を撃退してくれたけど、野球のバッティングのように斬って、そのまま数十メートル先まで吹っ飛ばしたが…。


 この小柄な女の子が、というか、プロレスラーみたいな体格の良い人ですら人間を数十メートル先まで吹っ飛ばしたり、攻撃の勢いで地面を破壊したりなんて芸当は出来ない。

 しかも今回の相手は危険生物だ。それも、人間より身体も体重も何倍もある巨大な生き物に容易くそんな芸当が出来るなんて、どう考えても普通じゃない。


 再び思考がバグりそうになっていたその時、ケントとアデルが私達の元に駆け寄ってきた。

 「こっちは対処終わったよー。そっちも終わったみたいだね」

 「あぁうん…。まあ、全部ナディアがやってくれたんだけどね…」

 ありがとうとお礼を言おうとしたその時、さっきからあまり喋っていなかったアデルが少し訝し気に口を開いた。


 「なあ、お前さ」

 「へっ?何?」

 アデルはナディアに少々たじたじになっていた為、アデルからナディアに話し掛けたのは少し意外だった。

 





 「お前って…力の精霊か何かの使い手か?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ