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コンフロント・マイノリティ  作者: 珊瑚菜月
第3章 花の都・ロレーヌ
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思考がバグる

 私とケントとアデル、そしてピンク髪の女の子、ナディアと4人でナディアが暮らしている隣町・クラマールへと向かう。

 道中は緑の草原に所々に家があって、やっぱりライプチヒの町と町を繋ぐまでの道中と似た姿だなと思った。

 そういえば、さっき散々な目に遭ったせいでさっきの町の名前を知れてない…と思ったが、もういいかと思ってすぐに思考を放棄した。


 「隣町って言っても、そんなにめちゃくちゃ離れてる訳じゃないからね!歩いて30分くらい!」

 ナディアが明るい口調で私達に呼び掛ける。ナディアは新しい化粧品が欲しいと思ってさっきの町まで買い物に出たらしいが、丁度売り切れていたらしく、仕方なく帰ろうとした所をさっきの男性達に絡まれてしまったらしく、そこで私達が参戦した…というものだそうだ。

 「ナディアっていつもあんな目に遭ってるの?」

 ケントが髪を手で梳かしながら質問する。

 「ううん。まあたまに遭う事はあるけど…そんなしょっちゅうじゃないよ。あの人達も、町では結構評判悪いガラの悪い人達だったみたいだし」

 …なるほど。じゃあそのガラの悪い人達を一人で撃退したケントはやっぱりすごいなと思う。

 そこで私はある事を思い出し、ナディアに聞いてみる事にした。


 「ねえナディ」

 ナディアの名前を呼ぼうとした次の瞬間、空から猛スピードで何かが飛んできて、私達は2人ずつ左右にずれた。

 飛んできたのは黒い身体に巨大な翼、長い爪が特徴的な巨大な鷹…みたいな生き物。恐らく危険生物だ。しかもこの一匹が飛んできてすぐ、同じくらいの大きさの危険生物が2匹飛んできて、なかなか厄介な戦いになりそうな3匹が同時に集結した。

 

 「こいつは…力は強いしすばしっこく飛び回るし、なかなか骨が折れそうな敵だな」

 アデルが拳銃を撃鉄の部分に差し込み、なるべく一撃で撃ち落とせるように狙撃状態に準備する。

 私も布から刀を取り出し、鞘から刀身を抜いて構えたその瞬間、敵達が襲い掛かってきて、刀を振るおうとしたその時だった。


 私の後ろから何かが前に出てきて、まるで野球のバッティングのように危険生物を打った…いや、斬ってしまった。

 それもやたら巨大な斧で。

 3匹のうち1匹は数十メートルくらい先まで吹っ飛ばされて、そのまま地面に落ちて動かなくなってしまった。

 私達3人の中に斧使いなんていないし…となると、消去法で先程の攻撃の正体はこの子しかいない。






 一体何キロあるんだと言わんばかりの、下手したら身長くらいの大きさはありそうな斧を軽々と扱う、ナディアしか。


 目の前で起こっている光景に少し思考がバグりそうになりながらも、今は一旦この状況を打開する事に集中した。

 

 

 

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