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嘘と本音

「遊季さん!うまく脱出出来たんですね!」

おれが戻ってきたのを見た真琴ちゃんが慌てて駆けつけてきた。

「う、ウソだろ…。道化師なんかがあの切り裂き魔を倒したっていうのか?!」

神野くんは信じられないという顔でおれを見た。

「ルナちゃんが創造したアイテムでどうにか追い払っただけさ。守ってばかりで手も足も出なかったよ」

おれは神野くんを適当にあしらった。

「とりあえず話は後にして今は救援を呼んで来よう。気を失ってる子たちを運び出すのに人手が必要だしね」

「なら無傷で戦闘職な私が行くわ。後傷浅いやつ何人かついて来て」

杏ちゃんはみんなに促した。

「じゃあおれ行くよ」

「あたしも手伝う!」

こうして杏ちゃんが率いる戦闘職たちが呼んで来た兵たちの助けもありおれたちは無事ダンジョンから脱出した。


ーー


「カマキリやサソリに変身ですか…。邪悪破滅教団が禁忌に手を出したというのは本当だったんですね」

おれの話を聞いた姫様は神妙な顔をした。

「禁忌かどうかは知りませんが人間をやめたのは確かでしょうね。ルナちゃんのアイテムがなければ間違いなく即死でした」

おれは隣にいるルナちゃんを見た。

「ふ、フン。我が力にかかれば容易いことよ!」

ルナちゃんは緊張しつつ話に乗ってくれた。

「ちなみにおれが使ったアイテムは使い切りで、何度も創造した末に出来た奇跡の産物だから今現物を出すのは難しいそうです。ね、ルナちゃん」

「よ、よけいなことを言うな!」

アイコンタクトを受けたルナちゃんは慌てて怒鳴った。これでごまかせるといいんだけど。

「…お話してくれてありがとうございました。お疲れでしょうからゆっくり休んで下さい」

姫様はおれとルナちゃんを労った。

「お心遣いありがとうございます。それでは失礼します」

おれとルナちゃんはお辞儀して執務室を出た。


「…お姫様との話はどうでした?」

真琴ちゃんは心配そうに聞いてきた。

「とりあえずルナちゃんのアイテムのおかげってことで押し通したよ。姫様が納得したかはわからないけどね」

おれがそう返すとみんな微妙な顔をした。


「ひとまずは乗り越えたみたいですね。…それで実際の所敵はどうしたんですか?」

きららちゃんが神妙な顔をして聞いてきた。

「倒したよ。きっちりトドメもさした」

おれがそう言うとみんなは溜息を吐いた。

「倒した割には浮かない顔だね。…やっぱり人を倒すのってきついん?」

夢ちゃんは遠慮がちに踏み込んできた。


「正直な所意思疎通出来る相手を手にかけるのはやっぱりきついね。まあ彼はほぼほぼ化け物だったし、明らかな悪だったから少しはやりやすかったけど少し精神的にきたよ」

おれは本音をみんなに漏らした。

「あそこまで罵倒しておいて言うことじゃないと思う」

文ちゃんは痛い所を突いてきた。

「相手の心情を考えながら地雷を踏みにいくからこそよけいなことまで見えたりするんだよ。おれがソードやスピアがいる時は援護に回ってるのが多いのは戦術的な面だけじゃなくて、少しでも心の内を知ってしまった相手を消すことを極力消したくないっていうエゴもあるのもまた事実なんだよね」

おれの言葉にみんな複雑な顔をした。


「…私たちもいずれ覚悟を決めないといけないのかしら」

杏ちゃんは悲痛な顔をしながら言った。

「そんな覚悟なんてしないに越したことはないと思うよ。人に限らず言葉が通じる相手を殺すのを躊躇うのは普通の人間なら当然のことさ。だから殺したくないと思うのは別に弱さとは思わない。誰かに任せてれば敵が消えてくれるなら手を下さなくても責められることでもないよ」

おれはあえて気休めを言うことにした。

「だから幹部を倒すのは全部レイダーのおれに任せてくれていいよ。君たちが処女を散らす必要はどこにもない」

「…そこでその言い回しはどうなのよ」

杏ちゃんは呆れたように言った。少し視線は痛いけど、どうにか重苦しい空気が和らいだ気がした。

話進みませんでした。次どうするかは未定です。

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