VSザンギャック
「マスクレイダー…。てめえ、まさかロック鳥を倒した仮面野郎か!」
ザンギャックはおれを見て怒鳴った。
「そうだと言ったら?」
「ぶっ殺すに決まってるだろ!我が教団の計画を邪魔しやがって!」
ザンギャックはそう言ってナイフを構えた。
「そうか。ならかかってきなよ」
おれは片手でザンギャックを手招きした。
「言われなくてもやってやるよ。食らいやがれ!」
そう言ってザンギャックは肩に切りかかってきた。ナイフはおれの装甲に当たって折れた。
「なっ?!」
「驚くことじゃないよ。レイダーの装甲に並みの武器なんか通じるわけないじゃん」
おれはそう軽口を叩いた。
「あ、ちなみにおれのパンチ力とキック力ってトン換算らしいよ。測ったことないけどね」
おれはそう言いながらザンギャックの顔面を殴った。
「ぶへあっ!」
ザンギャックは無様な叫びを上げながら飛んで行った。
「うわ…。原型留めてるよ。完全に人間やめちゃってるじゃん。邪悪破滅教団ってこんなのばかりなのかな」
おれはひとりごちてからザンギャックに向き直った。
「今のはただマスクレイダーってこういうものだって見せただけだよ。君がただ頑丈なだけの雑魚ならこのまま殴り殺すだけだけど」
おれは倒れたザンギャックに向かって言った。
「まあ今の所君なんて邪悪破滅教団の幹部とやらがどれくらいのものか測るためのただの試金石だからね。後の幹部のために情報漏らさずに死ぬのも賢い手だよ」
おれはそこまで言ってから仮面越しに笑った。
「ま、その場合君は幹部になれたのがおかしいレベルの邪悪破滅教団幹部最弱の男として永遠におれの記憶に刻まれるけどね」
おれはザンギャックを挑発した。
「…言いやがったなクソ野郎。その言葉地獄で後悔しやがれ!」
ザンギャックは立ち上がると、腕を交差させた。
「ぐ、うおおおお!」
絶叫するザンギャックの腕からは刃が生え、顔が更に三角になった。目は複眼になり、口から牙が生えてきた。
「バケモノじゃん…。それが君の本当の姿?」
おれはザンギャックに聞いた。
「これが我らが神の加護だ。異教徒にはこの姿の神々しさはわからないだろうがな!」
ザンギャックは熱にうかされたような口調で言った。
「あいにく信仰してる宗教はないんだよ。神に祈ってもどうにもならない事が多くてね」
おれは軽口を叩きながら銃を連射した。
「はっ。こんなの全部切り裂いてやるよ!」
ザンギャックは言葉通り銃弾を真っ二つにした。何発かは当たったが、すぐに傷がふさがっていく。
「はあ。救援来ない状況で安易に挑発するものじゃないね。いつもならこういう戦闘狂の近距離タイプはソードに押し付けてる所なんだけどね」
そう愚痴った所で今ここにはソードはいない。それにおれが負けたら次はみんなが狙われるだろう。
「さて、どう遊んであげようかね」
おれは銃を撃ちながら頭を巡らせた。
どうもヒーローっぽくならないですね。そういうキャラではありますがバランスが難しいです。