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城下町

杏ちゃんがメンバーに加わった次の日、おれたちは城下町に来ていた。

「案外簡単に城から出れちゃったよ。もしかして本当にやましいことなかったりするのかな?」

真琴ちゃんは頭をひねりながら言った。

「アタシたちが不遇職だからなめてんじゃね?なんか知っても何も出来なくね、みたいな?」

夢ちゃんは投げやり気味に言った。


「ま、確かにこのグループに対する扱いは悪いわね。あたしが前にいたグループの最初のミーティングでは指導のために騎士団長や宮廷魔術師長が来てたわ」

上位グループから移籍してきた杏ちゃんは遠い目をしながら言った。

「ふっ。いずれ我らの力を侮った報いを受けさせてやる…」

ルナちゃんはそう言って悪どい笑みを浮かべた。

「期待されてない状況から這い上がる…。久しぶりの感覚だね」

きららちゃんはそう言って拳を握りしめた。案外負けず嫌いなのかもしれない。まあそうじゃなきゃアイドルグループのセンターなんて取れないか。


「で、どこに行こうか。個人的には情報収集を優先したいんだけど」

おれはみんなに問いかけた。

「なら本屋に行くべき。情報誌くらいあるかもしれない」

文ちゃんが目を輝かせながら言った。

「それ文ちゃんが本が欲しいだけだよね?」

真琴ちゃんがみんなの意見を代弁した。

「だがこの世界のことがグリモワールに記されておるかもしれぬぞ」

ルナちゃんはもったいぶりながら言った。

「そうだね。本から情報を得るのが一番確実なのかもしれない」

おれたちは本屋に向かうことにした。


「…なんだか仮面の男が描かれている本がズラリと並んでいるんだけど。もしかしておれなのかな?」

おれは声を潜めて言った。

「すごっ。ゆーきくん超有名人じゃん!」

「あはは…。何だか不思議な感じだよ。大体表紙になるのはソードだったからね」

夢ちゃんの言葉に照れ臭くなったおれは思わず頭の後ろを掻いた。

「マスクレイダーソード…。子どもの頃CMで見た覚えはあるわ」

杏ちゃんは思い出すように言った。


「子どもの頃ねえ。本当に時間の流れどうなってるんだろう?おれの世界デストラクションズが潰れてからそんな経ってないんだけどな」

おれは素直な疑問を漏らした。

「うーん。ジェスターが客演した時異世界行った話なかったですからどこかのパラレルワールドから飛ばされたのかもしれないですね。少なくともあたしが知ってる特撮の時系列には存在していないイレギュラーな事態なのは間違いないです」

真琴ちゃんはそう言って頭をひねった。

「つまりおれが異世界に飛ばされた世界線と、飛ばされてない世界線があるわけか。元の世界に帰れる保証があると言い切れないのが怖いよ」

「菅田さんがまたジェスターやってるから無事帰れるっていうメタ読みは出来ないわけですか。どうなるかは私たち次第ですね」

きららちゃんはそう言って顔を上げた。思ったより強いなこの子。


「とりあえずジェスターが表紙の雑誌全部買っちゃおう。スクラップブック作らないといけないしね」

真琴ちゃんは張り切って言った。

「…実際あったことの記事を貼るのはどうなの?」

文ちゃんは何か腑に落ちないという顔をした。

「一応ヒーロー関連だからとりまオーケーじゃない?知らんけど」

夢ちゃんは明るい口調で返した。

話がなかなか進みませんね。次は話が動かせたらいいです。

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