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みりけん!改~ようこそ聖パペロミアン公国海軍県立三島高校司令部へ  作者: かいちょう
発令!第五号作戦「始動せよ!洋上機動艦隊」
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空母の大改修ですよ?

私の名前は石島亜美、高校生になりたての女子高生だ。

入学初日に怪しい部活(変態集団)に脅迫され入部してしまい、家に異世界から来たと言うミリオタ魔法少女が居候し、高校近くの駅前ショッピングモール脇の池に池ポチャして今日はショッピングモールでサバゲーをしだす部員たちのキチガイな行動に同行させられるなど、もはや人生における黒歴史の量産体制に入ってしまったわけだが学校に帰ってくるなり、拉致してきた生徒たちに厳ついレンジャー部たちが集結したりともうろくでもないことになりそう……



「準備は整った……さぁ反撃の狼煙をあげようか!デルタとガンマに目に物見せてやる!!」


悪人染みた表情でいろは言うと机の上に各自の乗る艦艇や持ち場の割り振り表を広げた。


「空母に搭載する艦載機も購入し、我が海軍は空母機動部隊を編制できるようになった!そして以降の諸君の持ち場はこうなる!!」


いろははやたらとデカい声でまくし立てた。

よくわからないけど、どこぞの司令官か何かの真似事だろうか?


「ふーん、私と亜美はそのまま伊勢ってのに乗るみたいだね?」


さっちゃんが割り振り表を覗き込んで言った。

まぁ個人的には空母のほうになっても、どっちでもいいんだけど……

興味ないし。


「で、乗船する艦船や持ち場が変更になってる者はこれより持ち場の確認も兼ねて信濃に乗ってもらう!」


鼻息荒くいろはが机をバンバン叩きながら言った。

すると今井先輩が慌てて立ち上がった。


「ちょっと待て!調整はしたがまだちゃんと走らせられるか確認できてないんだぞ?」

「それも含めてでしょ?乗ってまだ調整が必要と判断したらその時すりゃいいじゃん」

「それをするのは誰だと思ってるんだ?」

「うん、頑張れ!」


今井先輩の抗議を一言でいろはが打ち切った。

こいつほんと酷いな……


悲壮感漂う今井先輩を無視していろはが空母信濃を水を入れた桶に浮かべる。

そして信濃に乗り込むため、信濃乗船組を呼び寄せると。


「よし!じゃあ行くよ睦月ちゃん」

「は?なんで?」


いろはが笑顔で言ってきた。

いや、私は伊勢にそのまま残るんじゃないの?


「だって伊勢はまだ調整中じゃん。今は信濃しか乗れる艦艇ないよ?」

「いや、信濃にはそっちに配置になる乗船組だけ乗り込むから今は全員乗るわけじゃないんでしょ?」

「そりゃね?信濃に乗り込んでやるのは伊勢の時みたいにそれぞれの持ち場の設置と内部施設を作る改装だし」

「じゃあ私いらなくね?」


嫌そうに言うといろはが殴りたくなる笑顔で言ってきた。


「またまた~ほんとは乗りたくて仕方ないくせに~」

「んなわけあるか!」


怒鳴ると後ろから変態メガネが抱きついてきた。


「も~そんなこと言わず睦月ちゃんも一緒にきてよ~目の保養がないと先輩困っちゃう~」

「黙れ変態!!」


変態が密着してきたので回し蹴りをくらわせることにした。

変態メガネがよろめきながらも鼻血をだした顔を抑えて眼福といった表情をしている。

ダメだこいつ……誰かはやくこの汚物を刑務所に突っ込んでくれ!


「はいはい、睦月ちゃん暴れたからもういいでしょ?みんな待ってるんだからはやくして!」

「おい、だからなんで私も乗る前提で話進んでるんだ?」

「わがまま言わない、晃代もはやく!」


わがままはどっちだ!!というツッコミをする間もなく眩しい光に包まれて、気がつけば広い空母の飛行甲板の上に立っていた。


「はぁ……ほんとなんでこうなるの?」


ため息しかでてこないが連れてこられた以上、現状では自分の意思で船を降りる手段がないのでいろはについて行くしかない。

というか私、この空母には関係ないはずじゃ……


「いや~しかしほんと信濃は広いな~さすが日本海軍最大空母!」


変態メガネが関心した顔で飛行甲板を見渡す。


「というかなんでコレまでいるの?」


変態メガネを指さしていろはに抗議するが、いろはは特に気にした風もなく。


「そりゃ部長だしいるでしょ?」


それだけ言うとそそくさと歩き出した。

こっちの言いたいことを聞く気もないようだ……


「はぁ……ほんと何とかして、もう」


しばらく一行は広い飛行甲板を歩いていた。

変態メガネや他の部員たちは海上自衛隊の護衛艦いずもに護衛艦かがが一般公開されて搭乗した時や在日米軍の原子力空母ロナルド・レーガンが公開されて搭乗した時を思い出すと言っていたが、そんなこと言われてもさぱりだった。


「それにしても空母って広いけど構造物少ないね。改装するってどうするの?」


いろはに聞いてみると呆れた目で見られた。

毎度ながら腹が立つ表情だな?

今晩こいつが寝たら顔に落書きでもしてやろうか……


「まぁ、基本的にはあっこのアイランド式艦橋の改装すれば後は飛行甲板横にキャットウォーク作って対空機銃を整備して航空機格納庫の改装とエレベーター設置ってところかな~」

「ふーん、あまりやることないんじゃないの?」

「そうだね~まぁ空母だしね?」


とはいえギミックはしっかり施したいといろはがこの後延々と力説したがさっぱり理解できなかった。


空母信濃の改装は航空戦艦伊勢の時と比べるとシンプルなものだった。

飛行甲板から見て艦橋は右舷中央部に煙突と一体化したものだったが戦艦の艦橋に比べれば低く、中の構造も伊勢の時のようにエレベーターを設置せず階段のみとした。


1階部分がドローン操縦ルームで2階が指揮所兼操舵室という作りに改装され、続いて飛行甲板下に航空機収納スペースが作られていく。

その様子をボケーっと見ていたわけだが本当にやることがなくて段々と眠たくなってきた。


「ねぇ、これ本当に私いる意味あるの?」

「あるよーあるある。さて次は対空兵装の改装に……」


いろはが適当に応えてどこかへと歩き出した。

もう帰りたい……


それからかなり歩いて壁にドアを取り付けるとドアを開けて外へと出た。

そこは艦首付近であった。


外部ではあるが艦首付近まで伸びた飛行甲板の下にあたる。

飛行甲板の下であるらしい天井は何本かの柱で支えられていた。

そこから外部に出張った機銃担架へと続く階段などがあり、艦首手前にも階段があって艦首甲板と飛行甲板の中間部分に機銃台が設置されていた。

そこへと続く階段を上がっていく。


とはいえ、ここもやはり階段がずれてたりと緻密模型の細部の詰めの甘さが見られ、いろはが伊勢の時と同じくブツブツ文句を言いながら改修していた。

製作者の今井先輩がいたらきっとまたしょぼくれただろうな……

いなくて良かったね今井先輩、たぶんあの人そろそろメンタルやばいと思う。


「ところでこの機銃すぐ真上に飛行甲板の先っぽがあるけど色々と大丈夫なの?」


機銃台にあがって思った疑問をぶつけるといろはがまたしても人をバカにした目を向けてきた。

この野郎ほんとムカツク顔しやがるな?


「睦月ちゃん対空機銃の使いどころわかってる?戦闘艦と違って空母は水上戦闘はしないんだよ?これは主砲でもなんでもない防御用だよ?敵航空機が押し寄せてきた時に近づけないようにしたり、追い払ったり、撃ち落としたりするために使うんだから艦載機が発艦着艦してる時は使わないよ、そもそもうちらはドローン運用するんだからこの上を航空機が通過していくことはまずないよね?」

「あ、そうですね。よくわからんけど」


バカにされた言い方されたので適当に返事することにした。

にしてもこの機銃をどうするつもりなんだろ?


「じゃあこの機銃を改造するか!」

「へ?この機銃も撃てるようにするの?」

「じゃなきゃここにきてないじゃん?」


何言ってんの?といった表情でいろはがこちらを見てくる。

あのな?こちとら、あんたの考えなんていちいち読んだりしないわ!


「そんじゃまぁ、パパっとこんな感じで~」


ものすごく雑な感じでいろはが杖を振るった。

するとさっきまでのあきらかな飾り物の対空機銃とはうって変って本物っぽくなった……ような気がする。


まぁ実際今井先輩は精巧に作ったつもりでも、小さくなって乗り込んで見てみると飾り物全快なのは仕方ないよね、うん……

今井先輩、ドンマイ!


その後また船内に戻り、航空機格納スペース内を今度は反対へとひたすら突き進み、ドローン整備ルームや弾薬貯蔵庫(という名のBB弾保管庫)などの区画を作りながら艦尾までやってきた。


どうでもいいけど艦内(と言っていいのか?プラモの中だけど)広すぎて移動しんどい……

空港とかにある地面移動するエスカレーター設置するか移動装置でも作れよ!魔法使いだろ?

使えねー異世界ミリオタ魔法少女だぜ……


艦尾の甲板にでるとそこにも艦首と同じく飛行甲板を天井とした中空に対空機銃担架が存在した。

艦首と同じくそこも撃てるように改修していく。

というかこの機銃一体誰が使用するんだ?

伊勢と違ってあきらかに艦内で操作する感じじゃないんだが……


この疑問はどんどんと膨らんでいく。

いろはは艦首、艦尾以外にもさらに対空機銃担架を複数改修しだしたからだ。


飛行甲板へと再びあがり、甲板の端にキャットウォークを設けると、そこから突き出るようにあった複数の機銃担架も改修し、艦橋施設と思われる一部のものまで改修した。


ここまできて疑問はますます膨らむ、なので聞くことにした。


「ねぇ、これ艦橋で自動制御するの?」

「そんな便利な改修してると思う?」

「してないのかよ」

「睦月ちゃん魔法を万能な力と勘違いしてない?世の中にはできることとできないことがあるんだよ?」

「ドヤ顔で言うな!じゃあ機銃は個別に一人一人が射撃するわけ?」

「そうだよ?」

「あの担架に乗って?」

「うん」

「直接撃つの?」

「そう言ってるじゃん?」

「いや、結構な数回ったけど、そもそも個別に配備する人数いないでしょ?ただでさえ部員を2隻に分けて乗せるんでしょ?」

「うん、そうだね。だからレンジャー部の部員を徴兵したんじゃない」

「は?」

「餅は餅屋。昔から言われてるでしょ?」

「異世界人が言うか!」


ほんとこいつ地球のミリタリー知識もさることながら日本のことわざとかどこで覚えたんだろ?

こいつ何年日本にいるんだ?


「じゃあ今まで改修してきた機銃担架にはレンジャー部員たちが配置されるの?」

「そうだよ、信濃は大所帯になるねーはっはっは!」


はっはっは!じゃねーよ!

ラジコンに小さくなって乗り込んでドンパチやるだけでも大概なのに、そのラジコンをサバゲー集団のアジトにするとか頭おかしいわ!

ほんとどうなってるんだ?こいつの脳内……



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