秋になる間
ここ数日、激しい雨と遅い雨が、重なり、
時折、晴れ間が出たりして、
ずっと、頭が痛い。
こんなことは、秋口に多いから、
このまま、もう、秋になるだろう。
去年は、十一月がひどかった。
それからすると、少し、
早い気もする。
日本中で、雨や風が何かを
訴えている。
そう無理やり思えば思える。
日本だけではなく、世界中で、
訴えが起きている。
今更の感じ方をしている。
頭が痛いのは、訴えられているからか。
胸に手を当てる。思い当ってゆく。
これも、今更だが。
立ち上がるために、優しい唇や手に、
縋りたくなる。
頭の中にある、血の流れは、
自分でも、変えられない。
体験しなければ、
何一つ、わかることはないだろう。
どんなに些細なことも、
それにはそれなりの、楽しさと
難儀さがある。
訴えている方も、訴えられている方も、
体験が違うなら、分かり合えはしない。
相手の立場に立つなどと、
大それた課題が、
人には、大昔から与えられてきた。
このまま、秋になる間も、
相手だらけの地球が回り続ける。