前へ目次 次へ 11/14 幸せな枯れ花 大きな木に咲く赤い花の話をしましょう。 美しい彼女は一人の男を魅了させました。 男は彼女を摘み取り、二人は限りある時間の中で愛し合いました。 但しその時間は決して長いものではありません。 やがて彼女だけが萎れていきます。 ある時、花は男に届く前に消えてしまいそうな程か細い声で言いました。 「美しい私が枯れていく様を貴方に見届けてもらえてなんて幸せでしょう」 翌日、花は枯れました。 男は彼女を土の中へ埋めてあげました。