7話 再会そして
「一体どうして此処に」
「貴様を迎えに来たぞ」
幽莉が訊いてコオリが答える。
「それにお前その姿」
「これが私の、コオリ・スタンフィールド本来の姿だ」
「本来の姿だって、じゃあお前。それに名前も」
「氷室小織は仮初めの名。あの姿はアバターというものだ」
あまりにも唐突すぎて何を言っているのかよく分からなかった。
「テメエいきなり来て何言ってやがる」
アリシアが声を荒げコオリにつっかかっていく。
「いきなりも何も貴様が先ほど言ったではないか」
「ああ?」
「この男を必要ないとな」
「テッメ、ふざけてんのか」
アリシアのこめかみにピクピクと血管が浮かび上がった。
「火の精霊よ。彼方より来たりて」
アリシアが詠唱を始めると、まわりの大気が赤く光輝いた。
「来られぬのであればせめてその力我に与えたまえ」
赤い光が散開していく
「三日三晩のうちに利子をつけ、その魔力返済せん事を此処に約束する」
散らばっていた光がアリシアの手の平に集まり、巨大な炎となった。
「レンタルファイア」
どうやら詠唱が終わったらしくアリシアの手から巨大な炎の玉がコオリに向かって解き放たれた。
しかしソレは光の壁に阻まれコオリに届く事はなかった。
「もー遅いぞコオリっち。プンプン」
そこに立っていたのは薄紫のツインテールに光るラインが入った全身スーツ、それに大きなゴーグルを顔につけた。およそこの世界観には相応しくないサイバーな格好をした少女だった。あと、何故か無駄に胸が揺れていた。