4話 チートという程でもない能力
此処は剣と魔法のファンタジー世界。にある国のひとつコテコッテー国。
その国にある町の教会でアリシアとミーアの二人は生き返った。
「どうして俺は生き返らないんだ?」
幽莉が目の前にいる神父に訊くと、神父はこう答えた。
「いくら教会でも肉体がなければどうにもなりませーん」
四人は宿屋にいた。部屋を二つ取り、男女で別れて泊まる事にした。夜も更けてきて同室のクロードが寝静まったのを確認すると幽莉は部屋を出ようとした。しかし物に触れる事の出来ない幽莉はどうしたものかと悩んでいた。
冷静に考えれば幽霊であるのだから、そのまま壁なりなんなりをすり抜ければ良いのだが、
そんな考えにはいたらずに頭を悩ませて、
悩ませて、
悩ませていた。
すると突然ガチャリとひとりでにドアが開いた。
透間幽莉がポルターガイストの能力に目覚めた瞬間だった。
女子部屋ではアリシアとミーアが一つのベッドで向き合うようにして眠っている。
「んっ」
アリシアの大きな胸が何かに押されるかのようにムニっと潰れた。いったん潰れた胸はその弾力と反発力で元に戻ろうとしたが、何かに押さえつけられたようにそれを許されなかった。
「ミ、ミーアさん?」
目を覚ましたアリシアが吐息まじりで言った。
「どうした?」
その一言でミーアが目を覚ます。
「い、いきなり何を」
顔を赤らめながら、溢れ出そうになる吐息を抑えるようにアリシアが言った。
何を、そう言われてもミーアにはわけが分からなかった。しかし、アリシアの様子から何かが起きているであろう事はわかった。
「ひゃあん」
下腹部に何か刺激を受けて、ミーアの身体がビクンとはねた。
「アリシアこそ一体何を?」
「私は何も」
アリシアは胸に、ミーアは下腹部にそれぞれ刺激を与え続けられていた。
「くっ、もうダメだ」
そう言ってアリシアの両手を強く握る。
「胸を揉みながら手なんて握られても」
途中まで言ってふと違和感を覚えた。
今、ミーアの両手はアリシアの手を掴んでいる。では、この胸への刺激は一体何なのだろうか?
おそるおそる確かめてみると、自分の着ている衣服がまるで生き物のように動いて、胸を刺激していた。
コオリは今、鉄で出来た箱の前にいた。
「コオリちゃん。準備OKだよ」
そう言ってゴブリンの女の子から鉄で出来た箱と紐のようなもので繋がっている手のひらサイズの小さな機械を渡された。
「それじゃー此処押してみて」
「こうか?」
言われるがままにコオリは画面の中にあるログインと書かれた部分をクリックした。