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29話 ソロで魔王倒した帰りに神に殺された僕は異世界不適合者となった

今回はいつもに比べると少し長いです

「や、やめ、、やめろー」

今、目の前で情けなく命乞いをしているのはこの世界を支配している魔王だった。

「ねえ」

シルフィーナ・ロウが睨みつけると

「ひえっ」

魔王は小さく悲鳴をあげて縮こまった。

「僕もう飽きちゃった」

右手で魔王の頭を鷲づかみにする。

「ギヤアアアアアアアア」

完全防音の魔王の部屋の中にのみ魔王の悲鳴が響きわたった。


ザジは自分の部屋でごろごろしていた。

「次の転生者探せとか言われてもメンドくせーんだよなー」

等と悪態をつきながら綺麗な女性の写真がたくさん載っている雑誌を眺めている。

すると突然小型通信端末の着信音が鳴り響いた。

「この忙しい時に一体誰だよ」

小型通信端末の着信画面を見るとそこにはシーラと書いてあった。

「なんだ貧乳か」

そう言って着信を無視して雑誌に視線を戻した。

そうして暫らく雑誌を読んでいて気が付くと着信音はいつの間にか止まっていた。

「なんだ、止まっ」

ドゴォォオーンと音がしてザジの部屋のドアが吹き飛んだ。

「だああああ、俺の部屋のドアがー」

「うっさいわね」

部屋の入り口には、腰まであるピンク色の髪に、金の瞳をした小さな子どもが

「私子どもじゃないわよ」

どう見ても子どもが

「だから子どもじゃないって」

どう見ても子どもにしか見えないが実は何百年も生きているおば、、、

キッと何処かを睨みつける。

お姉さんが片足を上げ

「さっきから誰と話してんだ?てか俺のドア」

「うっさいわね。アンタが着信とらないのが悪いのよ」

「白か」

パンツが見えていた。

「って」

上げていた足を下ろし

「何」

膝を曲げ力を溜める

「見てんのよ」

膝を伸ばすのと同時に力を解放し跳躍する

「この」

一瞬にしてザジの目の前まで距離をつめる

「ヘンタイー」

こうしてシーラの回し蹴りが炸裂したザジは吹っ飛んだ。


「そんなとこで寝てないでさっさと置きなさいよ。このグズ」

そう言ってシーラは倒れているザジを小突いた。


「ったく転生者探しは死神の仕事だろーが、何で俺が」

「死神は人材不足なのよ。文句ばっか言ってないでさっさと探しなさいよ」

二人がやって来たのは深い森の奥だった。更にその奥には拓けた場所があり豪奢な城が一軒聳え立っている。

「本当にこんなとこに人が来んのかー」

双眼鏡を使いながら森の中から城の周りを見る。

すると城の入り口から一人の男が出てきた。

「アイツひとりか?」

「こんなところで一人って事はきっとパーティーを追放されたに違いないわ」

本当は元々一人で来ていて、そのまま一人で城の主である魔王を倒した帰りなのだが二人の神はそれを知らなかった。

「とりあえず殺しときなさい」

「俺がやんのかよ」

「アンタのターゲットでしょうか、さっさとしなさいよこのグズ」

ドンッとザジの背中を蹴り飛ばした。


此処は上も下も前も横も、何処を見てもただただ白だけが続いてる空間。

「ねえ、此処何処なの?」

ロウの目の前にはたれ目で線の細い男とピンク色の髪の女が立っていた。

「あー、まあ何つーか此処はだな」

男の方、ザジがめんどくさそーに喋りだす。

「遅いよ」

気が付いたらロウの爪がザジの喉元に当たっていた。

「ヒエッ」

思わず情けない声が漏れる。

(あの距離を一瞬で、なかなかやるわね)

シーラはその身体能力に素直に関心していた。

「はやく言わないと貫くよ」

プスっと爪が少しだけ刺さりザジの喉元から血が一筋流れ出す。

「オメーこええよ。血出たじゃねーか」

「そんなのどうでも良いから早く説明してよ」

「どうでもいいっておま」

ロウがザジを睨みつけ黙らせる。

「ねえ君、僕に殺されたいの?」

背筋がゾクッと震えた。


「ここは神の空間だ」

ザジがこめかみがボリボリ掻きながら面倒くさそうに説明を始める。

「神の空間って?」

「正しくは神の空間の一つ、転生領域よ」

「転生?」

「つまり何つーのか、お前は異世界転生する為に一度死んで此処に来たんだよ?」

「僕が死んだの?でも、どうして」

自身の強さに絶対的な自信を持つロウには当然の疑問だった。そして、それは同時に

「もしも誰かのせいだとしたら、そいつと殺りあってみたいな」

ロウの好奇心に火を着けた。

「まあ、お前を死なせたのは俺なんだけどな」

「君が?本当なの?」

手を開き、ザジの首を覆うように掴む

「嘘だったら殺すよ」

「本当だ」

「本当なんだ」

掴んでいた手を緩め

ザジはそれに安堵した。

「それじゃ、やっぱり殺そうか」

ロウはそう言うと再び、いや今度はさっきよりも少し力を込めてザジの首を掴んだ。

「でもその前に」

スッと首ザジの首から手を離す。

「まずは話を聞こうか、早く話してよ。なんで僕転生させられようとしてるの?」

「異世界転生する為にはある程度の条件があるんだけどな、お前はそれに見事当てはまったんだよ」

「条件って?」

「色々あるがお前の場合ボッチって事だ」

「あの城から一人で出てきたって事は、どうせボス直前でパーティーから抜けさせられたんだろ?」

「それにお前は能力も持ってなさそうだし」

「そういう奴は何故か知んねーが、何かと都合が良いんだよ」

「都合が良いって?」

「転生先に合ったチートスキルを与えるのに、元々能力持ちとかだったりするとズレが生じる場合があるからな」

「そうすると、その世界に適合出来ない恐れがある」

「適合出来ないとどうなるの?」

「最悪、世界がひとつ消える。そうするとあの」

「ザジッッッ」

急にシーラが大声を上げて、ザジの言葉を止めた。

「わ、わりぃ」

「まぁ、何つーか俺らの目的はお前にチートスキルを与えて異世界に転生させるんだが、問題はどういったスキルを持たせて何処の世界に送るかだ」

「例えばどんなスキルがあるの?」

「転生先の広さで言えば無効化とかがメジャーだな」

「転生先に存在する魔法などのあらゆる特殊能力を無効化出来る」

「それって何かの役に立つの?」

「例えばこうやってだな」

ザジが左手でロウの肩に触れる。

「どうだ?これでお前は今、能力を使え」

「ブハアッ」

突然視界が回転しながらザジは吹き飛んだ。

ドサッと背中から落ち、見ると右拳を握ったロウが冷たい目でザジの方を見ていた。

「ねえ、僕特殊能力とかないんだけど」

言われてみればそうだった。

「アンタって本当にバカなのね」

返す言葉もなかった。


「それじゃ気を取り直して次のプランだ」

鼻にティッシュを詰めた状態でザジが喋りだした。

「今度は逆に全属性持ちで行こうと思う」

「全属性持ち?」

「その世界に存在するあらゆる属性を扱える。例えばこんな風にだ」

ザジが右手を翳すと空中に魔方陣が現れ、それを基点に風が渦を巻き始める。

拘束で動く風はやがて大気を凍らせ小さな氷の粒を生み出す。

氷の粒が風で舞い、擦れあい、静電気を生み出す。

そして

ドサッと音がして、ザジは仰向けになって床に倒れていた。いや、一瞬にして倒されていた。

手のひらで額を掴まれ、そのまま押し倒されていた。ロウが顔を近づけてきて耳元で囁く。

「僕にも無効化使えたみたいだね」

気が付くとザジの魔方陣は先ほどの衝撃で消え去っていた。


「で、色々試したわけだが」

ザジはすっかり憔悴しきっていた。

「お前その強さで本当にパーティー追い出されたのか?」

「そもそも僕最初から一人なんだけど」

言われてみれば確かにロウ本人の口からそんな事は一言も発せられておらず

「じゃあ何で城から出て来たんだ?しかも浮かない顔して」

「暇つぶしに魔王殺したんだけど、あまりにも弱すぎてガッカリしちゃった」

全ては

「ちょっと待て、それじゃあ」

「何?」

「お前って異世界転生者としての適合率かなり低いんじゃ?」

「僕に言われてもそんなの知らないよ」

神達の勘違いだった。


「付き合ってられないわ」

そう言ってシーラは立ち去った。


こうして、神をも殺す勢いの戦闘狂と怠け者の神様の奇妙な共同生活が始まった。

新シリーズの執筆が難航している為、しばらく更新お休みすると思います

因みに新シリーズでは二人目のハーレムヒロインが登場します

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