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2話 勇者様

そうかこれが異世界か、そういえばクラスにいるオタクグループと遊んでいた時に貸してもらったラノベとかいう絵付きの小説が異世界転生モノと呼ばれてるものだった気がしたな。そんな事を透間幽莉は考えていた。

目の前には先ほどの耳の尖った外見からして恐らくエルフであろう少女、それと鎧を纏い腰に剣を携えた吊り目で赤い髪をしたポニーテールの女。そしていかにもな感じの男が一人いた。

なるほど、これで異世界ハーレムを築くのか、元居た世界でも女には困らなかったがコレはコレでありかもしれない。そんな事を考えているとポニーテールの女が口を開いた。

「おい貴様、一体何処から来た?」

俗にいうツンデレというものだろうか、そう考えながら幽莉は答えた。

「何処って此処とは別の世界だけど」

「さっき私の魔法で召喚したんですよー」

エルフの少女が笑顔で割って入る。


話を整理するとどうやら此処は剣と魔法が存在するコテコテのファンタジー世界で、これまたコテコテかな、世界は魔王に支配されているらしい。

そんな魔王に支配された世界を救ってもらう為に異界より召喚魔法で幽莉を呼びだしたのはエルフ族の少女アリシア=ヨンダー

ポニーテールのツンデレ女剣士は人間族のミーア=キレール

そして男は遥か昔の祖先に超大物の魔物がいたが本人すらもそれを知らず未だにその力が覚醒していないクロード=フォン=ヒーロー

という事らしい。


「それで勇者様はどんなチート能力をお持ちで?」

アリシアが目を輝かせながら問いかけてくる。

そう言われても幽莉にはわからなかった。勿論クラスのオタクに借りたラノベを読んだ事があるので異世界転生者が転生する際に何かしらのチート能力を与えられる事はわかっていた。しかしその与えられたであろうチート能力が何なのかが幽莉には分からなかったのだ。

「わからない」

だから幽莉は素直にそう答えた。

「そうですか」

アリシアが落胆してため息を吐く。

「貴様、それでも勇者か?」

ミーアが何故か怒っている。

「そのうち何か凄い能力が使えるようになりますよー」

アリシアがニコニコ笑いながらそう言った。


カウンターに座り全体的に緑色でその上にピンクの泡がある飲み物を飲みながらコオリはカウンターの奥でグラスを拭いている男に話しかけた。

「マスター、透間幽莉の消息は攫めましたか?」

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