23話 神樹様
守れなかった。最愛の主を傷つけた奴を許さない。しかし私は、
悔しさに苛まれながらジェットは怪鬼から逃げていた。
自身をゴーストテイマーという事にしたコオリは二人に案内され死体の山の前に来ていた。
「これは一体」
目の前に拡がる光景にコオリは言葉を失った。
「なんだコレ」
幽莉も同様だった。
「よかった」
レーンが言った。
「神樹様の加護がみんなを救ってくれたんだ」
目の前に拡がる死体の山を覆う植物の蔓を見て涙を流しながらそう言った。
「みんなの死は無駄じゃないよ」
そう言ってレーンはその場に泣き崩れた。
「コフィカ」
「何?」
「一体どういう事なんだ?」
「もしかしてコオリ知らないの?」
それは昔の事だった。突然異世界からやって来た男が神を怒らせこの世界の住人達は地下に閉じ込められた。地下にも食料はあったがそれはとても少なくやがて奪い合い殺し合いが始まった。
そうして主を失った使い魔達は野生化し凶暴化し人を襲い負の連鎖を生んでいた。
人々は恐怖に怯えそれでもなんとか生き延び、そうして時が過ぎ去っていった。
何とかこの地下世界でも少しは安定した生活を送れるようになったそんなある日だった、空間が裂けそこから巨体の女と左目に眼帯をした黒髪の男が現れた。
はじめこそ皆その二人を非難し男の差し出した種を無視していたが、ある日飢えと病に苦しんだ一人の男が衝動にかられ種を口にした。その時だった、先ほどまで飢えと病に苦しんでいたのが嘘のように元気になったのだ。
そしてすっかり元気になった男は調子に乗り地上へと出ようとした。
そして地上への入り口、言い換えれば地下からの出口から一歩足を踏み出した男を迎え入れたのは白い幾本もの触手だった。
触手に捕らわれた男は絶命し、触手はそのまま地下に侵食しようとしたが男の身体から生えてきた植物がそれを阻止したという。
「つまり神樹様はアタイらに活きるエネルギーをくれて、さらに地上の化け物から守ってくれてるってわけよ」
そう言ってコフィカは話し終えた。
「成る程な、話はわかった。しかし」
コフィカの話を聞いたコオリは何かひっかかっていた。
「胡散臭いよな」
幽莉が言い
「ああ」
コオリが頷いた。




