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21話 ジェット

「ウウー」

目の前にいる化け物を牽制するかのように喉を鳴らす。

「ワンワン。ワンワン。」

相手がたじろがないのを確認すると次は吼えて威嚇してみた。

怪鬼は暫らくそれを見るも、再び前を見た。

再び左手を少女に向けて伸ばす。

「ご主人様」

そう叫んだのは、白銀の毛並みをもつ獣だった。

「ジェット」

ご主人様と呼ばれた少女がそれの名前を呼ぶ。

「此処は私が引き止めます。お逃げください」

ジェットと呼ばれた獣は、そう言いながら前足の爪で怪鬼の脚を引っ掻き続けた。

「そんな事言われても、もう無理じゃ。脚が動かん」

少女は力なく呟き、ついに怪鬼に捕まってしまった。

脚をつかまれ持ち上げられると、先ほどまで見ていた景色が反転した。

怪鬼の右手が伸びてきて腰周りを爪を立てて掴んだ。

「痛っ」

服に、そして皮膚に爪が食い込む。

怪鬼が右手を動かすと服と共に皮膚が捲れていく。

「あああああああああ」

少女は声にならない悲鳴をあげて気絶した。


少女が目を覚ますと怪鬼が地面に倒れていた。そして目の前にはジェットがいた。

ジェットは左目で少女を見つめると

「クゥーン」

と心配そうに小さく鳴いた。

「心配してくれるのか」

優しくそう言うと腕を伸ばしてジェットの頭を撫でる。

「お前がワシを助けてくれたのか」

そう言ってジェットを引き寄せる

「そんなになってまでワシを助けてくれたのか」

そう言って覗き込んだジェットの右目は潰されて血に濡れていた。

「こんなもの、ご主人様の命に比べれば大したものではございません」

少女は無言でジェットの事をぎゅっと抱きしめた。めくれたお腹がズキズキと痛む。

「痛い、痛い」

そう言って少女の目から涙がこぼれる。

「ご主人様」

少女の涙がジェットの失った右目にあたる。

「痛い」

「お離しください」

「いたい・・・」

「傷に響きます」

「こうして、いたいのじゃ」

「かしこまりました」

そう言うとジェットは少女に身を委ねた。


「のうジェット」

その声に覇気はなく今にも力尽きそうだった。

「ワシはおそらくもうダメじゃ」

「死ぬ前に、最後にアレをしてくれぬか」

少女がそう言うとジェットは一度少女から離れた。

少女が脚を開くとジェットが鼻先を近づけた。

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