16話 異形のモノ
「ナナシ」「シキ」
目の前に現れた二人の名前を呼んだ。
「ところでお前は誰だ?」
ナナシと呼ばれた男がコオリに問いかける。
「コオリだろ」
しかし答えたのはシキだった。
「見ればわかる」
「じゃあ何できいたんだ?」
「場を和ませようとしただけのジョークだ」
「お前のは分かりにくい」
「それもジョークか?」
「いや、本気」
二人がやりとりをしていると、吹き飛ばされた異形のモノが起き上がり襲い掛かってきた。
「危ない」
小織がそう叫ぶのと同時に異形のモノがナナシの背後から左胸を貫く。
「心臓を狙ったか」
ナナシが自分の左胸から突き出ている腕を見て、
「だが」
ナナシの首からグギギという音が鳴り、
「俺は嗜好型人形だ」
カシャンと首が180度回転した。
「ではサラバだ」
口を大きく開くと、ナナシはレーザー光線を発射した。
「ちっ」
ナナシとコオリの間にシキが立っていた。
「一体何が起きたというのだ」
状況の飲み込めていない小織が言う。
「今の一瞬でヤツは俺の攻撃を避けた」
「そしてその攻撃は直線上にいたコオリに向かっていき」
「コオリが避けそうにないと判断したシキが」
「この鎚で打ち消した」
ナナシとシキが解説をした。
「イ、いマのは」
突然聞きなれない声が聴こえてきた。
三人が声を方を向くと異形のモノが立っていた。
異形のモノは自分の口に両手を突っ込むと、上下に開き始めた。
「一体何をしようとしているのだ」
あまりにも異様な光景に思わず小織が呟いた。
「アぶなカッタ」
異形のモノの口から上下に裂け、それを引き剥がす。
そうして現れたその姿は
「そんなまさか」
その姿を見た小織の口から名が漏れる。
「透間幽莉」




