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15話 潜入

コオリ・スタンフィールドは、いや氷室小織は透間幽莉に接触する為、三倉高校に転入してきた。


彼女が何故そのような事をするのか

それには理由があった。


あの日、透間幽莉の浴びたそれは怪鬼の体液で、それを浴びたものは身体を侵食されてしまうのだ。

それを食い止める方法は二つ、透間幽莉を殺すか、もしくは怪鬼の力のみを浄化するか


夜の街中を小織と幽莉は二人で歩いていた。先ほどまで小織の歓迎会をクラスのみんなとやっていて、今はその帰りである。

「透間幽莉」

名前を呼んでみる。

「どうしたんだ急に?雰囲気違くないか」

返事が返ってきた。

「貴様に話があって来た」

暫く無言の時間が続き、意を決して話そうとしたその時だった。


自分の横にいた男の腹から突然血が、肉が、内臓が、先ほど食べたであろうものの残骸が、そして何モノかの手が飛び出した。

「マスター。マスター応答を」

耳につけた通信機に向かって叫んだ

「うるさいなあ。そんなに叫ばなくても聞こえてるっての。で、どうしたの?」

相変わらず緊張感のない声が通信機の向こうから聞こえてきた。

しかしそれはあまりにも唐突で、あまりにも異形で言葉にする事ができなかった。


頭から胴体にかけたそれは正に怪鬼そのものであった。だがしかしそこから伸びる四本の四肢はまるで人間のようであった。


「おーい。もしもーし」

通信機からマスターの声が聴こえてくる。しかしそれに答える事は出来なかった。

これは恐怖だ。

怪鬼のような人間のようなソレは股下まで裂ける程の大口を開け、幽莉の死体を貪りはじめた。


突如現れた光が食べかけの透間幽莉を包み込み。そして、消えた。


食べかけだったものを途中で失ったソレは小織の方を向くと、食べに行こうとした。

その時だった。

一筋の光線がソレの足を止めた。そして何か大きな衝撃がソレを吹き飛ばす。


「待たせたな」

「これは一体何だ」

人差し指を伸ばした眼鏡の男と、右目を包帯で隠し身の丈程もある大きさの鎚を持った男がそこに立っていた。

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