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14話 怪鬼の世界
何処かの空間に傷だらけになった怪鬼が横たわっていた。
それを囲むように複数の影がある。
「同胞よ」「同胞よ」
同じ言葉を繰り返し、
「同胞よ」「同胞よ」
繰り返し、
「同胞よ」「同胞よ」
繰り返し投げかける。
真ん中にいる怪鬼が意識をとり戻す。
「気がついたか」
「言葉なき同胞よ」
「グオオオオオオオオ」
怪鬼の叫び声が天高く昇る。
しかしその声は闇に呑まれ消えていった。
そして怪鬼は歩きだす。
「行くのか」
「同胞よ」
「それがお前の内なる意思なら」
「止めはせん」
影に見送られ怪鬼は何処かへと消えていった。
実は最初、文字数が足りないと言われて
本来は 怪鬼の叫び声が天高く昇る。 までで、それより下は急遽付け足しました。