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12話 サラリーマン
気がつくとサラリーマンは空中に浮いていた。いや、何かに掴まれ持ち上げられているのがわかった。目には見えない、だけど体に伝わる感覚でそれがわかった。
自分は一体どうなってしまうのだろうか?恐らくさっき見た生首のような事になるのだろう。
食事を終えた怪鬼は目の前に新たなる餌があるのを確認するとそれを持ち上げた。暫くすると握った手の中に生温かいものが拡がっていくのがわかった。
持ち上げた餌を食べようと口を開けたまさにその時だった。
「氷砲弾」
気がつくと口の中に氷の塊が入っていた。
怪鬼はそれを噛み砕き吼える。
「グオオオオオオ」
「貴様を討ちにきた」
いつの間にか地面に座り込んでいたサラリーマンの目の前に左脚の凍った女子高生くらいに見える女の子が立っていた。
サラリーマンはその女子高生らしき人物に言われるがままにその場を走り去った。
アレは一体なんだったのだろう?少し気分転換でもしようかとサラリーマンは行きつけのゲイバーへと足を運んだ。
「あら、拓ちゃんいらっしゃい。ってアンタどうしたのよ?ズボン濡れてるじゃない。もう飲みすぎておもらしなんかしちゃって」