音は
目を閉じると聞こえてくる。
雨。雨。雨。
それは立ち止まった私の気持ちを型どるようにしとしとと。
傘のない私に降り注いで。
雨粒は私の頬を伝った。
あぁ、今年もだめだったなぁ。
もう潮時か。
歩き出そうとしたとき雨があがった。
なんだ、まだやれるじゃん。
少し気持ちが軽くなった。
晴れ間も出てきて少し陽気な気持ちになってきた。
その時車が一台私の横を通りすぎた。
水溜まりの跳ね返った水で私は再び濡れた。
思わず笑ってしまった。
すると後ろからぷはっと吹き出す笑い声が聞こえて振り返った。
君は笑いながら
「やっぱりさ、俺ら友達からやってみない?」
空に虹が架かった。