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来世契約  作者: ずみ
6/10

12鳥会議

真っ白な空間の中央。役目の無いロウソクが等間隔に並べられた漆塗りの長い机に10羽の鳥が集う。

上を見上げると晴れ空から降ちてきたしずくが天窓に音を立てて打ち付けられる


10羽の目の前に突然、『厳重取扱資料』とお世辞でも綺麗とは言えないようなミミズののたくった字体で書かれた書類が現れる

一斉に資料を開き

10羽はくちばしをひらく。


今度は 1980年ですか。


女性、17歳。若いですね。


彼女はなんだって研究家だそうで。


右目とその他もろもろの器官は使い物になりませぬよ。

もったいない。


あらやだ。彼女、デジャヴの持ち主ですよ。


それはほんとですか!? ならばなんとしてでも残さねば。


誰か彼女と来世契約を結んだ方はいらす?


それが、いないんですよ。


右目に匙さして目玉掻き取るなんて、よくできましたね

想像しただけで痛々しい。

この骸の状態ですと契約品をもらうことも難しそうですね


しかし、デジャヴの持ち主である限り、蘇生させたいですね。


では彼女からは痛覚を頂くというのはどうでしょう。


そんなこと前代未聞ですぞ。許されるのでしょうか


それならある程度彼女の来世にも支障をきたしてくれるでしょう。


だといいのですが….。

ところで烏のお嬢は?


また人間界ですの。2014年とか言ってらしたかしら。


肉の回収ですか。


ええ、それと同時に2014年からもデジャヴの信号があったのよ


それはそれは、デジャヴの持ち主を手土産にしてくれるなんて

頼もしくなったものだ。

彼の穴も埋めてくれるといいが。


静まり返った白い空間には天窓に空の雫が打ち付ける音と、議長がレーズンの袋詰を開ける音だけだが鳴り響く


鶴の議長が幸せそうにレーズンを食べてこう言った

「今日はもう解散でよろしいかしらね」


鷹 うぐいす カワセミ 燕 雷鳥 ミミズク トキ 白鳥 鳩 9羽が上品に飛び去った


鶴の1羽が「あらやだ、レーズンまじうま。」と感激した


2羽がサボっている。


今回の12鳥会議が終わった。



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