■プロローグ的な■
続きが気になった方は是非気兼ねなく、気軽に要望してください。
次話をジワジワ投稿しますので。
なんつってははは。
僕が彼女について語ることが出来るとすれば、実際四つくらいしか語ることは無いと思う。まぁ元々親しくない仲だ、仕方ない。
一つめ。彼女の名前が『赤城春奈』だということ。赤とか春とか、プラスなイメージの名前だと最初に感じた。陽気で、確かにリーダー格だと思う、名前の雰囲気通りに。
二つめ。彼女は、かなり馬鹿だということ。僕はそのせいで最近厄介なことに悩まされている。
彼女は十八歳だ。精神年齢は小一以下。お菓子で釣れる、彼女の両親からこれを聞いた。そのせいか分からないが、それを聞いた日から頭痛が三日間続いた。頭ガ頭痛デ痛イ。
二つめの悩みとは、彼女のこの危機感の無さのこと。そして同時にそのせいで僕が被害を被っていること。どうしようかしらね。ははは。
三つめ。彼女は既に死んだということ。彼女の両親からしか聞いていないので断片的にしか理解していないが、凶悪犯に惨殺された。らしい。この凶悪犯は一昔前に起こった連続殺人事件の犯人と同一人物ではないかと言われている。
眼球が片方しか残っておらず、抉られた左目が遺体発見現場には無かった。この辺が連続殺人事件と一致している。一つ違いがあるとすれば、今回だけ脚が刃物でズタズタにされていた。切られた傷の内の一つに皮膚と肉の接着部分を切り離して、不謹慎な言い方だが収納スペースを作ってあった。現にトランプカードが入っていたらしい。
......余程の眼球フェチなのだろうか。眼球はどうでも良いが、脚ズタズタは許せねえ。女の子の脚に傷をつけるだと?気が狂っている。絶対頭おかしいよこいつ。僕は許さない。
そして最後、四つめ。現実的でないことは分かっている。妄想かもしれない。でも言わせてほしい。
彼女が幽霊としてこの世界に留まっている。僕の家に。僕の部屋の押し入れの中に居る。しかも裸で。なんで?
年相応の成長っぷりだな。なんで?
即ち胸のサイズは普通。なんで?
記憶が無いらしいぞ。なんで?
身体に外傷は無い。なんで?
話しかけてきた。なんで?
空気が凍った。なんで?
なにこれ。なんで?
こわい。なんで?
うそ。なんで?
え。なんで?
「そこ、どいて」
......なんで?