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造花

作者: マーク
掲載日:2026/05/30

造花に価値はないのです。

枯れたままでしたから、わかります。


宵だ宵だと騒いでおりました。

真新しささえありました。

死にどこか、素晴らしい絵のような感情を抱くのは、人間の性でありましょうか。

美しいものにはどれも、その気配があるような気がしてなりません。

得られないものが美しく見えるのは、なんとも、不条理なことでございます。

一生、得ることはできないのでしょう。

それが、美しいのかもしれません。

望んでいるうちが、花なのかもしれません。

私はなにも出来ず、ただ、立っていました。


大切な人がいます。

たった、一人だけ。

愛している人がいます。

同じ腹から生まれました。

なんとも思っていませんでした。

しかし、私に似ていくのです。

それを。

あぁ、かわいそうだと。

心底思いました。

私に似てはならない。

それだけは、かわいそうだ。


ですからもう、大好きだと、言葉にして、伝えることにしました。

怒っていても、叱っていても、疲れていても、いつでも。

上手くできてはいませんでした。

何しろ、初めてでしたから、全部。

初めてでない人がいるならそれは、どれだけ、優しい人なんでしょう。

私も、そうありたいと願っていますが。

どうも、そんなに優しくはないようです。


私はもう、ずっと、ずっと、美しくなってしまいたいと思っていました。


ふと、聞きました。

すると、私が大好きなその人は、そうではないと言うのです。

嬉しくてたまりませんでした。

うまく生きているようには、見えませんでした、文句をたくさん言っていました。

でも、私とは決定的に、違ってくれました。

勝手に、報われた気になっていました。


もう、全部、それでいいのです。

君がどうなろうと、それでもう、十分なのです。

生きていてくれて、嬉しいのです。


私がこんなことを言うと、思いませんでした。


涙が流れて仕方ありませんでした。


私は最初から、そうあったのでした。

造花でないと、幸せにはなれないのでした。

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