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プロローグ:石◯が辞任したところで

 駅前の電光掲示板に「石◯首相、辞任」と大きく映し出された。

 人々は一瞬ざわめいたが、すぐにスマホを操作し、次のニュースに流れていった。


「結局、何も変わらないんだよな」


 喫茶店の窓際で新聞を広げていた老人が、小さくつぶやいた。隣に座る青年は首をかしげる。


「辞任したなら、新しい総理になるんじゃないですか? それなら少しは……」


「甘いな」老人は笑った。


「名前が変わっても、中身が同じなら、何も変わらん。椅子に座る役者が変わるだけで、舞台の脚本は同じだからな」


 テレビからは「次期総裁候補は…」とアナウンサーの声。

 だが候補者の顔ぶれは、どれも見慣れた顔ばかり。


「このまま同じ政権が続けば?」


 青年が問いかける。


 老人はしばし沈黙し、コーヒーを一口飲んだ。

 その瞳には、遠い未来を見透かすような光が宿っていた。


「……きっと、この国の唯一の誇りすら、少しずつ失われていくさ」

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