読んだのならポイント置いてけ堀
「今日も今日とて、いつもの小説サイトめぐりだ。テンプレまみれのランキング上位作品を読むより、まだ誰にも読まれていない傑作を見つけるのが楽しいんだよな。俺もスコッパーが板についてきたということか……」
「……お、このタイトルとあらすじにはちょっと惹かれるな。よし、今日はこの作品を読んでみよう」
「……うーん、悪くはなかったけど、絶賛するほどじゃないな……。まあ、たまにはこういう日もあるか。さてと、腹も減ってきたことだし、そろそろご飯の用意でも……」
……け……
「ん? なんだ? 今、変な声が聞こえたような……」
……てけ……
「え、ええ? 今度はさっきよりはっきりと聞こえた! いったいどこから……まさか、この小説サイトからか!?」
……置いてけ~
「こ、これはまさか怪談とかで有名な、あの置いてけ堀!? で、でも魚を釣ったりはしてないし一体何を置いてけって……」
ポイント置いてけ~
「……ってポイントかよ!?」
ポイント置いてけ~
ポイント置いてけ~
「ああっ! なんかどんどん声が大きくなって近づいて来てる! やばいやばい! 急いでポイントを入れよう!」
……
「……ふう……やれやれ、評価ポイントを入れたら満足したのか聞こえなくなったぞ。しかしまさか小説サイトにまで怪異が現れるなんてな……これも時代の流れなのか?」
「……ってこの作品、俺以外誰もポイントを入れてないじゃないか……ブクマも0……怪異になってしまうくらい作者がポイントに飢えていたってことか……怖いなあ……」
「……スコッパーは引退して、これからはランキング上位作品だけ読むことにするか……」
ポイント置いてけ~
ポイント置いてけ~