01話 甘い想いを寄せて (エレンとアキラ)
今回の映画は面白かった。
主人公の妻がエーテリアスになり主人公が妻のエーテリアス化を直す物語。
映画が終わると同時に優しい灯が映画館を包み込む。
外に向け歩を進める。外に出ると綺麗な晴天だった。空は、雲ひとつなく太陽の温もりがひしひしと感じれた。
ルミナスクエアの横断歩道の近くで誰か座り込んでいるようだ。
尻尾があるのでシリオンということがすぐに分かった。
そのシリオンはこちらを見つめてこう言った。
「あ、プロキシ」
エレンだった。
「エレン、ここに座り込んでどうしたんだい」
「あーちょっと足捻っちゃて」
「そうなのかい?なら僕の自転車に乗りなよ」
「いや、いーって、」
「ダメだ、夜に女子高生を1人にはできない。
エレン、立てるかい?」
エレンは立とうとするの少しフラッとした。
アキラは、エレンをおんぶして駐輪場まで移動した。
エレンをおんぶしているとエレンの体温が思ったより高くてびっくりした。
「エレン、熱なのかい?」
「っ// そんなこと聞かないでよ
ただ、、プロキシが......//」
「僕がなんだい?」
「な、なんでもない!」
エレンは自分の尻尾で顔を隠していた。
「エレン、ついたよ」
「あ、エレンじゃん」
「あ、」
駐輪場でエレンの友達とばったり会ってしまった。
「エレンもしかして、、デ、デ?」
「ち、違うから、行くよプロキシ」
「ああ」
僕が自転車に乗るとエレンは少し躊躇っていた。
「どうしたんだい、エレン」
自転車の二人乗りはバイクと同じで乗っている人の肩か横腹を抱きしめるように乗る方法だ。
エレンに横腹を抱き締められ少しビクッとなってしまった。
「ご、ごめん」
「いや、大丈夫だ」
この光景をリンに見られてはとてもまずいだろう。
ましてや僕は成人でエレンは未成年、治安官に見つかってはどう言い訳するべきか。
いや、起きないことを想像しても意味がないだろう。何をしてるんだ。パエトーン。
「店長殿、この時間にデートであるか?」
「え?」
青衣だ。青衣なら僕の状況を理解してくれるだろう。朱鳶は、勘違いするだろう。
「や、青衣久しぶり。
朱鳶さんは一緒じゃないのかい?」
「ああ朱鳶は今、会議であるよ」
「なるほど」
「店長殿、恋愛は難しいと朱鳶から聞いておる頑張りたまえ」
「こ、れは!」
「デ、デートだから!」
エレンはちょっと照れていた。
「ほう、彼女もなかなか強気であるな」
「そ、それじゃ!またね、青衣」
「ああまた会おう」
気まずい空気が2人の中に漂う。
「あ、そういえばエレン。
君の家が分からないのだが」
エレンから返事は来なかった。
「エレン!大丈夫かい?」
「エレン!!」