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No.1345 ヴェールドー

土曜日。

仕事で忙殺されできなかった家事を片付ける日。


朝、平日と同じ時間に目が覚めてしまう。

そして、今日のやることリストを頭に浮かべ、一度目が覚めてしまえばできない二度寝を試みて10分ほどしてから時間の無駄だと思い諦める。

家事に取り掛かるまでは憂鬱なのだが、1度始めてしまえば部屋が綺麗になるだけでなく、頭もスッキリしてくる。


掃除、洗濯、そして来週からまた生きるための買い出し。

自分は少し潔癖症なので買い出しの後はシャワーを浴びないと気が済まないのだが、苦ではない。


全ての汚れを払ってゆったりとくつろげるからだ。


こんな土曜日を私は何気に楽しみにしている。


平日は仕事で頭と身体を使い、気を遣い、上司の機嫌まで伺いながらストレスに揉まれまくり、家に帰る頃には何もする気が起きない。

だが、前の週に買った食材を無駄にはできないので最低限食べられる程度に調理する。


そして、高校生が寝る時間かと思うくらい早い23時には就寝。

特別朝が早い訳ではないのだが、一度このルーティンにしてしまってからは夜起きていられなくなってしまった。


27歳はもっと若いと思っていたのだが、自分は中でも歳を感じてしまう質らしい。


そんなことを思いながら土曜日全てを終えたあとのご褒美にしている紅茶を飲みリラックスする。


前に友人に土日の過ごし方を聞かれ、土曜日のルーティンを話したら「女みたいだな。」と笑われてしまった。

今の時代にその発言はアウトなのでは。

と思ったが場が乱れるのも面倒なので苦笑いでスルーしておいた。


こうして、土曜日が過ぎていく。


モヤがかかった全てが晴れていくような、ヴェールドー色のような、凪いだ海のような、心を落ち着けてくれるこの日が好きだ。


また一つ

色を知った。


人間とは歳を「感じる」生き物なのか。

我らにはおそらく年齢という概念がない。


一日一日が過ぎる感覚はあるが、どちらかというと記憶が蓄積されていく感覚が近い。

これが、我々版歳を感じるということなのだろうか。


今回のアクセスで気になった感情は「リラックスする」ということだ。

凪に近いと対象者も感じていたことから推測すると、気持ちが落ち着くということだろうか。


人間は他者と交流する中で気持ちが落ち着かないことがあるらしい。対象者も日々気を遣っていると感じていた。それは、他者を思いやりいざこさが起こらないように。

つまり、他者との関係が凪いでいるようにすることなのだろうか。


気持ちが落ち着かなくなるという感情が分からないので、リラックスすることが分かる日は来ないのだろうか。

それとも、いずれ気持ちが落ち着かなくなる事象が起こるのだろうか。


そうしたら私も…


今回のアクセスでは多くの疑問が残った。

対象者とは真反対の色をしているのだろうな。


No.1345 ヴェールドー

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