残党
パレードも終わり勲章の授与も滞りなくおわった。
「で、誰が演説するんです?」
「え?作戦立案したユウじゃないのか?」
「えぇ・・・無理ですよ俺そんなの。」
「ユウさん口はよく回るし大丈夫だと思いますよ。」
だとしてもアホほど人いるじゃん。俺人見知りだし。
「多分吐くぞ。」
「そんなにかい?」
最終的に俺になった。なんで王族2人いて俺なんだよ・・・。
壇上に上がり喋れと言われた。
話そうにも何話すか考えてなかった。どうしよう。
とりあえず思いついたことをそのまま口に出すことにした。
そして演説が始まった。
まずは挨拶から入る。
俺はこの国に来てからの事を話し始めた。
英雄と勇者様を立てて物語のように盛り上げて話す。民衆の反応は良好だった。
戦争の為というより魔人と通じてるやつらを倒すためだと。
国民が不安にならないようにするためだと説明した。
その時遠く離れたところで何かが光った。その光が俺のそばに来た時に弾けて消えた。
「あらま、もう少し後かと思ったけどもう来たか。」
「何が来たんだ?」
「残党。」
《天領の民》の生き残りだ。
あ、光が弾けたのは俺の新技『展鎧』魔力を不定形の状態で体に周りに展開し自分以外の魔力が接触した瞬間に条件起動で攻撃魔法を相殺してくれる。残念なのは魔力消費が洒落にならないくらいだ。
「さて、行くか。」
「僕も行こう。」
「いや、勇者様はここで他の人守ってください。戦力の分散は良くない。」
俺とモニカで十分だ。