レクチャー
《天領の民》たちと戦争の準備を始めてからしばらく経った。そろそろかな。
志願兵のなかで際立った戦闘力を持った者は一般の兵からリーダーとして取り立て平民でも活躍できると功名心と出世欲を煽った。
そして帝王から俺の作った魔法剣を渡してもらった。これで人心掌握は問題ないと思う。
「その剣は魔力を流し込むと水が出る。勢いつけて剣の破壊力を上げるも良し、剣先から水を飛ばして攻撃するも良し。中距離近距離に強い魔法剣だ。」
俺は魔法剣を貰った兵士にレクチャーをしてる。
魔法が使える者は少ない。魔力を持っていても発動できないのだ。単純に体内のエネルギーである魔力の感覚を掴むのが難しいのと物質として体外にアウトプットするイメージが掴めてないからだ。
俺も昔はそうだった。キッカケさえあればできる。俺はブチ切れた時に相手を押しつぶすイメージで風魔法を発動させた。まずは魔力の循環ができるようになってからだけど。ここの連中には魔力の循環は教えたから後はアウトプットのイメージを掴んでもらうだけだ。慣れてないと魔力垂れ流して魔力欠乏で倒れる。
ちなみにこの魔法剣は各々の相性の良い魔法に設定してある。相性の良い魔法は人それぞれだから調べるの大変だった。
これで魔法に慣れたら今後魔法が使えるようになる可能性が高い。そしたら戦力増強にもなる。
この件で俺の作戦がハマれば報酬も弾んでもらえるし、それに自国の民の戦力を増強したとなればある程度強気に交渉できる。
明日は王都から騎士団が派遣される。最高戦力とまではいかないが精鋭を送ってくれるそうだ。