惨状
さて、廃屋に調査しに行くわけだがこの人数で行くわけにもいかんしな。
「廃屋ってこと考えたら5人くらいで素早く対応が出来るなメンバーに行ってもらう方がいいな。」
「そうだね、先ずレイラちゃんとレイサちゃん・・・セイカとモニカは確定だね。」
「としたら火力が足りなくないですか?」
「ユウが行けば火力面は解決だろう。」
「あ、俺決定してるのね。」
てことでメンバーが決定した。
「残りのメンバーは情報収集をお願い。」
「そうしようか。じゃあさっそく作戦開始!」
さて、どうなるかな? 俺は今廃屋の前にいる。メンバーは俺含めた5名だ。
メンバーは前衛にレイラとレイサ。この2人は耳もいいし敏捷性が高い。
後衛は俺とセイカさんとモニカ。この布陣は防御よりだけど俺の支援魔法で火力の底上げも期待できる。
「にしても・・・カビ臭いなここ。」
「だね、ここまでカビ臭いことあるのか。」
「ご主人、こっち。」
腕を引かれたどり着いた扉の先に魔力を感じた。音魔法で扉の向こうを探知する。
「んー・・・2、いや3かな。なんか居る。」
生き物か?これ。
よく分からないけど気配はある。
「なんか居るな。動いてないけど生き物かな。」
「取り敢えず開けてみよう。」
そう言ってセイカさんは扉を引いた。
そこにあったのは謎の液体に浸された人間の子供だった。
「うっわ、何だこれ・・・」
「これはひどいな・・・」
「うん、生きてる感じしない。」
その光景を見て俺たちは絶句した。
そこにいたのは紛れもなく人間。それも女の子だ。
「この紋章・・・『空』か・・・どこまでもクソじゃねぇか・・・何だよ何なんだよ!!!」
「落ち着いて、ご主人。」
「だってこんな・・・あまりにも・・・」
「取り乱す気持ちはよく分かるよ。でもまずはこの子を助けないと。」
そうだ、今はとにかく助けることを優先しないといけない。
幸い息はあるがいつまで持つかもわからない。早く処置しないと手遅れになるかもしれない。
「じゃあ俺が取り出すからモニカ、《回復》お願い。」
「わかりました。」
そして俺はその子を取り出し、傷口を確認しながら状態を見る。
「これまた酷いな・・・内臓が損傷させられてる・・・」
「大丈夫なのかい?」
「わかりません。モニカお願い。」
「はい。」
モニカの《回復》で体はもう完治した。
2人の治療に成功してあと1人を救出しようという所でもう1人の入っている水槽が割れた。




