パティリアの街の問題
いよいよ出発の日。陸路から行くより海路から行ったほうが早いため船に乗る。
「酔わないか心配だな。」
「昔船乗った時酔って死にかけてたもんね。」
「本当に慣れないことするもんじゃねぇよな。」
船での旅は順調で、何事もなく無事に港に到着した。
「聞いた話だと活気に溢れた町って話だけど・・・なんか湿ってんな。」
「湿ってるって何?まぁ、なんとなくわかるけど。」
「まずは話を聞こう。僕が言ってくるよ。」
イケメンの王子様に話しかけられたら警戒もクソもないしな。良い判断だ。
というわけで町の人に話を聞いたところ、近くの海に海賊が出て漁や貿易が出来ない・・・と。
俺ら海から来たのに会わなかったな。ラッキー。
また、この辺りでは魔物の被害も出ており、冒険者ギルドでも依頼を受け付けているとのこと。
「・・・2つとも何か、《空》に関係ありそうだな。」
《空》は《天領の民》の隠語だ。バレたら対策される可能性があるからって勇者様が提案した。
「じゃあ俺らが海賊潰すんで勇者様たちは魔物をお願いします。」
小さいボートを借りて俺、メイリア、モニカ、ソフィーさんで乗り込む。海では踏ん張りが効かないし足場が少ないからレイラとレイサの機動力も活かし辛いし仕方ない。
「作戦は簡単。俺の風魔法で水巻き上げて船に被せるからそこをメイリアが凍結させる。ソフィーさんとモニカは逃げた海賊の拘束を頼む。」
ボートの上だから動きにくいだろうけど、ソフィーさんの実力なら大丈夫だろう。
ちなみに俺はオール漕いでます。単純なパワーだけなら前衛組を除いたら俺が1番強い。
さて、海海賊どもよ!今からお前らを成敗してやるぜ!!
柄にもなく肩回しながら戦闘に入った。
まぁ、楽勝だったけど気になるところが一つあった・・・




