顔合わせ
王様からの直々の任務・・・各国回って《天領の民》の破壊工作や魔道具を見つけたら破壊・妨害をしてこいと。期限は1年。進級はさせてくれるらしい。それが確定してるならいいか。
今は任務の擦り合わせのために勇者パーティと一緒に話し合うために城に来ていた。【聖女】以外とは初顔合わせだ・・・
扉を開けて入ったらふんぞり返った女がいた。
「えぇ〜この子達と私たち同列に考えられてるの?不満〜。このリーダーの魔力量18とかゴミじゃん。」
勇者パーティの魔法使いレティシィが不満を垂れ流し始めた。
「なにこのおばさん失礼だね。」
おいおいメイリアよ、確かに俺も思ったけど辞めてくれ・・・
「そのゴミが選ばれるくらい逼迫した状況なんでしょーね。」
適当に返答する。
「は?何その態度。」
「はぁ。」
「私は勇者パーティの魔法メイン火力なのよ?あなた如き一瞬で消し炭にできるわ。」
「おー怖い怖い。」
俺はそう言って肩をすくめた。
レティシィが手をこちらに向けてきたその時だった。
パチンッ! どこからか音がなったと思うと、目の前にいたはずのレティシィの姿がなかった。
いや、正確には地面に倒れていた。
そしてそのまま動かなくなった。
「まったく。困るねプライドの高い子は。」
「えーっと・・・」
「初めまして、勇者パーティの【賢者】セイカだよ。」
モニカよりも小さい女の子が出てきた。
「よろしくお願いします。」
「悪く思わないであげてくれ。彼女は君のパーティの魔法使いに魔法のバリエーションも魔力量も劣っていると知って気が立ってるんだ。君を貶す発言は私から謝罪する。すまなかった。」
「いや、俺の魔力量が上級者の世界ではゴミなのは知ってるから大丈夫です。」
「レティシィには言ってなかったが君たちのパーティを推薦したのは他でもない私でね。私の『恩恵』の『予言』で勇者が最も仲良くしている平民が助けになるって出たんだ。」
予言って・・・随分とぶっ壊れた性能の『恩恵』だな・・・
「でも実際にこの目で見てわかったよ。君たちはもっと強くなる。仲間を大切にな。」
「えぇ。仲間は俺の家族も同然ですから。」
セイカさん不思議な雰囲気だけど妙に落ち着くな。
セイカさんたちと雑談していたら勇者様がやってきた。
「すまない。遅れた・・・随分と打ち解けたみたいだな。それじゃあ、作戦会議を始めようか。」
出発の日は来月。それまでしっかり情報を精査していくところを決めたい。




