謎
メイリアが使った土壁を解除して視界を開く。やっぱりか・・・
シーサーペントとクラーケンのダブルかぁ。キツいぞ・・・
「・・・仕方ない。クラーケンは再生能力があるから俺の最大火力で焼くわ。シーサーペントはそっちで頼む。勇者様とメイリアでゴリ押したら勝てると思う。」
あー魔力枯渇したらキツいけど仕方ないよなぁ。
「珍しいねユウが作戦捨ててゴリ押しなんて。」
「仕方ないよ。今日遊んだあとだから勇者様も動きにいつものようなキレがない。」
完全なバカンスだったから仕方ない。
「よし、行くぞ!!」
最近作った一撃必殺魔法を使う。
魔力をゆっくりと右手に集中する。
風魔法をベースに土魔法、火魔法・・・あとは水魔法・・・一気に凝縮!!
「《フォーエレメントデススフィア》!!」
身体の半分くらいの大きさの魔法の玉を投げつける。
着弾と同時に圧縮した4属性が解放され爆発する。
ドゴォオオオンッ!!! という轟音と共に空気が揺れる。
「ギィィィィィィ!!!」
クラーケンの断末魔が響く。
「よし、後は頼んだ・・・」
頭痛と吐き気が一気に襲ってくる。気持ち悪い・・・
そのまま砂浜に倒れた。
意識が途切れた・・・ ------
目が覚めるとベッドの上だ。
横には心配そうなモニカの顔があった。
少し離れたところには他のみんながいた。
なんか知らんけどもう魔力回復してる。
部屋の中には他に誰もいな・・・誰だ。知らん女がいる。
「あ、良かった目が覚めた。」
「あーうん・・・はい。」
知らない人がいるせいで微妙なセリフが出てしまう。
「あ、紹介するよ。僕のパーティのヒーラーの【聖女】シャリアだ。」
「よろしくね。」
微笑んで手を握られる。この人は今まで会ったことないタイプだな・・・
「はい、よろしくお願いします。」
勇者の話によるとシャリアさんは避難誘導をしていたそうだ。ヒーラーはモニカで事足りてるから避難に回ってもらったそうな。
で、魔力枯渇した俺をシャリアさんの『恩恵』で魔力を譲渡してくれたと。
正直助かった。あの気持ち悪いのが魔力回復するまで続くと思うと怖気がする。
あ、この町の長から報酬もらえるらしい。ラッキー臨時収入だ。
でも何で今更シーサーペントがこんな所に・・・クラーケンももっと沖の深海で余程のことがないと出てこないのに・・・




