最悪
海で遊ぶのなんかいつぶりだろう。2歳くらいかな。
「おー!すごい!どうやってんの?それ!」
ミリネさんが大きな声で聞いてくる。
「水魔法で水を操作してます。」
水魔法で水の上に立って水の塔を作り高いところから見下ろしている。結構気持ちいい。
「私もやりたい!!」
ミリネさんとサヤさんがやりたいと言ったのでやり方を教えた。奇しくも本来の予定である魔法の訓練になった。
「こう?」
「そうそう、そんな感じで水を手元に集めるのに慣れたら自由に動かせますよ。何より魔力の消費が普通の水魔法に比べて少ない。」
俺の魔力総量は18で普通の水攻撃魔法を使えば5回で数値にしたら1くらい結構減るけどこの方法なら10回使っても減らない。
てか2人とも飲み込み早いな。
そうして魔法を教えていると沖の方で水飛沫が上がった。
あれは・・・まずい!
風魔法の応用の音魔法で声を拡散する。
『全員!!海から上がって宿に戻れ!!』
俺の声を聞いて上がったのは同じクラスの奴らと初等部中等部だけ。俺より上は何言ってんだって感じだ。
『沖でシーサーペントとクラーケンが交戦中!今すぐ避難しろ!!』
最悪の形で予想が当たった。
『《勇気の恩寵》!!集合して防衛準備!!冒険者登録してる人達も協力してくれ!!』
近くにいたモニカたちに呼びかける。
やっぱジリジリ近づいてきてるな・・・
「俺も戦うよ!」
「勇者様がいてくれたら100人力どころか1000人力ですよ。」
勇者様がいたら近接戦の層が厚くなる。
「私も手伝うわ。」
「ありがとうございます。まぁ、シーサーペントたちがこっちから離れてくれたら1番いいんですけどね。」
よし、作戦は決まった。
「メイリア、もしこっちに近づいて来たら思い切り氷魔法を叩き込んでくれ。少しでも動きを止められたらユニさんと勇者様に《勇気の恩寵》を掛けますからトドメをお願いします。ユーリィさんとレイラ、レイサは不測の事態に備えて動けるようにしてください。」
全員が無言で首肯した。
さっさと離れてくれればいいんだけど・・・ そしてそれは起こった。
海面が大きく盛り上がったと思った次の瞬間には大きな津波となってこちらに向かってきたのだ。
おいおいマジかよ!? 咄嵯の判断で土魔法を使い防波堤を作る。
「うお、こりゃあ押し負けるな・・・」
「《土壁》!《硬化》!」
メイリアの土壁で津波を完全に遮り硬化で流されないようにした。
「範囲すげぇな。」
津波を防ぐために土壁を使ったために視界が遮られた。その次の瞬間・・・
ドン!と肉が叩きつけられる音と共に壁が崩れた。
おいおい、まさかの2体ともこっちにきた感じか・・・




