思い出
合宿先に向かうのに馬車に乗ったは良いけど・・・
「あっっっつ!!」
「やめてちょうだい、余計暑く感じるわ。」
ユーリィさんに嗜めなれる。
「メイリア・・・氷魔法お願い。」
「はいはーい。」
メイリアが氷魔法で馬車の中を冷やす。
「はあぁぁ・・・生き返るぅぅ。」
「でも喉乾きましたね。」
モニカのその一言を聞き俺はマジックバックから水袋を取り出した。
「ほい、柑橘系の果実搾って少し混ぜたからさっぱりしてて飲みやすいよ。」
持ってきていたコップに氷魔法で氷を作り水を注いで渡す。
「助かります。」
「メイリア居たから良いものの他の馬車地獄だろうな。」
「だねー。メイリアちゃんには感謝しないと。」
「あ、ミリネさんも水飲んで良いですよ。コップ5個あるんで。」
「え、でもユウくんはどうするの?」
「私がモニカと同じコップ使うから良いよ。」
メイリアがそう言ってモニカからコップを受け取った。
「あ、あと塩舐めたほうが良いよ。」
そう言って小瓶に入った塩を取り出して渡す。
「良いの?貴重な塩を・・・」
「良いよ、海水から俺が作ったからそんな金かかってないし。」
そういうと驚かれる。
仕方ないとは思う。普通に海水を蒸発させただけでは雑味が多く食べれたものじゃない塩ができる。
しかし、錬金術を使えばより純度の高い塩を作れる。王宮のお抱え錬金術師集団が塩を作る方法を秘密にしてるから塩が貴重なんだ。あと魔力的にそんなに多く作れないのと。
「錬金術使えるの!?」
ミリネさんが体を乗り出し俺の肩を掴んでガックンガックン揺らす。
「いや、使えn・・・まっ、揺らさないで・・・」
「あ、ごめん。」
「錬金術使わなくてもある手順踏んだら塩は作れるよ。」
「そうなの?」
「うん。色々面倒だから教えられないけど。師匠が昔教えてくれたんだ。」
今となっては大事な思い出だ。
その後みんなで談笑しながら移動した。
話の話題も尽きてきたころ。、目的地についた。
馬車の中で寝ようと思ってたらずっと話し相手になってくれたおかげで退屈しなかった。
「あれ?ここって・・・」
見覚えがある。いや、見覚えどころかこの匂いも空気も知ってる。
忘れるはずがない。
「知ってる所ですか?」
「あぁ。知ってるも何も俺の生まれ故郷だ。」
「え!?」
この町の最後の思い出は奴隷商に売られそうになったことだから少し嫌な思い出だけど。
そんな取り留めもない思いを胸に遠くを眺めていると後ろから声をかけられた。
「おい、一年の宿に行くぞ。」
そう言って連れられて着いたのは立派な宿だった。こんな宿あったっけ?
「ようこそおいで下さいました。」
そう言って老婆が頭を下げる。
その後部屋割が発表された。俺だけ1人部屋だった。悲しい。
さてと、今日このあとは特に予定はない。
「あれ?ユウさんどこか行くんですか?」
「あぁ。ちょっと山にね。」
「私も行きます!」
その後何故かメイリアたちもついてきた。
目的地は山の中の村。俺を育ててくれた師匠の墓がある所だ。